「...あっ。」
いずみは、返答もままならなかった。 明らかに緊張が走る。
「あれ? ごめん。いずみじゃない?」
明らかに手には、マジックの跡がある。こちらは、承知の上でからかう。
「つ、つれずれ さん....」
どうにか小声で返答ができた様だった。
「じゃあ 軽く飲みに行こうか?」
つれずれは、自分がつれずれであることを肯定すると、飲みに誘う。
ところが、意外な返答が返ってくる。
「飲めないんです。」 いずみは純真そうな顔で返答してくる。
一瞬、視線が合うが、直ぐに視線を外す。
本当に飲めないのか、ガードなのか? まあ問いただす事も無い。
ともかく、相当の緊張の様子だった。
これを解かなくては、お互い楽しくない。
「じゃあ、その先のファミレスに行こうか?」
つれずれは、道玄坂の上手を指差した。
いずみが軽くうなづく。
二人は、よそよそしく歩いて行った。
「緊張してるでしょ?」
笑いながら、いずみに声を掛ける。
「...はい。」
当たり前だった。これで全く緊張するなという方が酷である。
「まあ、変態だけど、変質者じゃないから安心して!」
つれずれは、妙な理屈をこねる。
ただ、いずみは口元に笑みを浮かべて、頷いてくれた。
”笑った顔...まじ...可愛い...”
つれずれは、そう思った。
ただ、自分は、ドSである。 そんな事はいずみには、口にできない。
そんな時は、羞恥攻めにするしか無かった。
「急だったけど、大丈夫だった?」つれずれが聞く。
「はい。仕事は五時過ぎまでで、残業も特に無いから...」
少しはまっとうな会話ができるようになってきたようだった。
いずみの返答とは関係ない返答をすることにした。
「そんなに僕に会いたかったんだ?」
暇と答えたいずみに、そう返答する。
「はい!」
笑って”しょうがないなぁ”の表情をしながら答えてくる。
「そうだよね。性欲には勝てないしね」
つれずれの返答に、いずみは、今度は、はにかんだ笑みを浮かべる。
「はい!っていう返事は?」
つれずれは、笑いながら、小声で強要する。いずみもこれが羞恥プレーの始まりと認識したようだった。
「...」少し恥ずかしそうにつれずれを睨んでくる。
そんな会話をしていると、ファミレスの前だった。
二人はファミレスに入る。夕方だというのにそれほど混んでいなかった。
係が案内をしてくれるが、ここで座る席も重要だった。
つれずれは、すかさず、4人用のボックス席に座ると、係のアルバイトも拒否しなかった。
簡単に注文をすると、早速、いずみへの羞恥プレーをどうするか?つれずれの脳裏が高速回転する。
「いずみって、手が綺麗だよね。」
つれずれはいずみの手に視線を送る。 その白い手には、油性ペンの跡があった。
いずみはその跡を隠すしぐさをする。
「隠しちゃ意味無いじゃん。 それ見るといずみは、興奮できるんだから」
軽いジャブを打つ。
「まさか油性ペン?」つれずれは、軽く指差しながら、わざとらしくいずみの手に触れようとして、一旦止める。
周りに聞こえない様に、軽く前のめりになり、
「オナニーした後、手は洗ったよね?」
念のため確認する。
いずみはつれずれの質問に急速に顔を赤くしながら、恥ずかしそうに「洗いました!」と答えた。
「なら良いや!」つれづれはいずみの手に軽く触れる。 ひんやりとした指先の感触だった。
いずみは、手を触れられた事で、やや固くなったが、拒否はしなかった。
つれずれは、まるで独り言のように、右手の中指に自分の指を添えながら呟く。
「洗いましたって、今日も昼から、この指使ったんだ...」
意外に結構な割合で、女性の指は性感帯でもある。
つれずれは、手を離すと、いずみを見つめた。
見るからに先ほどの緊張では無い、表情をしながら俯いていた。
「まさか、仕事中に、トイレで?」
いずみはその質問にも答えなかった。
ただ、無言の相手を羞恥攻めしても楽しく無い。
「質問してるんだけど?」 つれずれはいずみに返答を促した。
「だって、仕事中に突然誘うから...」
いずみは、言い訳をする。 明らかに顔が火照っている。
「?..しちゃったか、してないか聞いてるんだけど。」
明らかな苛めだった。
ただ、いずみもまんざらでは無い様子になる。
「.....しちゃいました。」
笑いながら、答えた。
平日の夕方で、空いているとはいえ、ファミレスには似つかない会話だった。
「おかずは僕?」 つれずれは自分を指差す。
いずみが頷くのを確認すると、内容を確認する必要があることを伝えた。
ただ、自分からは、なかなか口を割らない。
言え!言わないの押し問答が、続いた。
この手の話題は埒が明かない。つれづれはそう思い、話題を変える。
「そう言えば、今日は、小説のネタ作りのための会議だから、教えて欲しいんだけど。」
つれづれは、攻め方を変える。
「乳首何色?」
この質問は、僕へメールしてくるほどんどの子にする質問である。
男には今一理解できないが、女性は答えるのが相当恥ずかしいらしい。
「えっ!」
さすがに急に振ったので、いずみも驚いたようだった。さすがに今までの彼氏にも聞かれた事無いのかも知れない。
「いや、だから、乳首何色?」
理解していない可能性もあるため、ファミレスにも関わらず、指をさしながら、胸を凝視する。
いずみも、わざとらしく手で、視線をブロックした。
「隠さない! 実験中なんだから!」
つれづれは、隠そうとする手を言葉で外させる。
ろくに知りもしない変態男に、胸を凝視され、隠せないというシチュエーションに、
いずみが興奮してくれる事を期待する。
「意外にでかいよね?」 つれづれの言葉にいずみは、軽く睨んでくる。
ただ、口元の笑みはまんざらでもなさそうである。
「けど、大きさより、色が大切だからさ! 清潔感があった方がいいし。で、何色?」
ここまで言って、綺麗なピンクとは言えない。実際、ピンク色のマンガに出てくるような、
乳首の子は、10人に一人 いるかいないか である。
「よくわからないけど...赤っぽいいろ?」
いずみは、恥ずかしそうに答えた。その表情が可愛い。本当は抱きしめたい所だが、そうもいかない。
「赤っぽい? 後で見て....茶色だったら困るんだけど!」
後で見るなど、勝手なことをつれずれは言う。ただ、いずみも少しづつ、エロモードに入っている。
「じゃ、じゃあ茶色で....」
そういうしかないという事は解っているが、つれずれは楽しかった。
「乳首茶色いんだ.....」 胸を凝視する。
この言葉を浴びせるといずみが、横に首を振った。
「そんな事言わないで....」いずみの媚びる様な視線が心地よかった。
”私の乳首は、茶色です” つれづれは、携帯に入力する。
そして、携帯をいすみに見せた。
「ファミレスだから、口パクで許してあげる。」
つれづれは、笑っていた。
いずみは視線を合わせようとはしなかったが、口パクをする。
”私の乳首は、茶色です”
口パクをすると、やっとつれずれと視線を合わせ、手で口を覆った。
「ちなみに恥ずかしい?」確認する。当然の様に首を縦に振った。
「興奮もしてる?」 その問いに視線を絡め一旦間を空けて、首を縦に振った。
「まさか、もう濡れてるの?」 いずみは答えにくそうに、その問いにも頷いた。
明らかに溢れている様な顔だった。
女性は、涙腺と同期しているのかと思うほど、目元が潤む。
いずみの表情はその表情だった。
「そう言えば、小説書いたんだよね。読んでくれる?」
つれづれは軽く確認する。
「読みたい!」
いずみは、かるく了承した。 チャンスだった。 つれずれはカバンから、PCを取りだす。
そして、起動させると、なるべく違和感なく、いずみの席に移った。
ファミレスの四人席で、横並びに座るのは、こっちが気恥ずかしいが、PCを広げれば、
何かの同じ画面を見るためとなり、不自然では無かった。
いずみは、横につれずれが座る事に驚いたようだったが、いきなり如何こうする訳でもなく、
断る事も出来なかった。
PCに、”選ばれたくて”の未配信メモ帳を開くと、いずみに見せる。
ファミレスで羞恥小説を読ませられる。これも一種の羞恥プレーだった。
いずみは、黙々と小説を読み始める。
たまに、気恥ずかしいそうに、こちらに視線を向ける。
つれずれは、その姿を鑑賞する事にした。
いずみの横顔はなかなか良い姿だった。そして、とある名案を想い付いた。
「俺にもおかず頂戴!」とりあえずチャレンジする事にする。
いずみはこちらに視線を向ける。
胸元のボタンを指差す。 「第三ボタンだけ外してよ。」 つれずれは笑いかけた。
いずみほどの胸のおおきさがあれば、第三ボタンを外せば、ブラと谷間位は見えると思った。
「無理! 」
いずみは首を横に振った。
まあ、当然の結果だった。ただ、それで諦めるほどつれづれは優しくない。
耳元で、”おまじない”を囁く事にする。
「胸元位いいじゃん。こないだの肛門より綺麗だと思うし...」
いずみの顔が羞恥でゆがむ。
そして、
悲しそうな目をこちらに向ける。
「食事だけって...言ったのに。」
いずみも最後のあがきを始める。
「そのつもりだったけど、もう興奮して汁まみれだろ? 」
つれづれは、いずみの股間に視線を向けた。
身を捩る様にして隠そうとする。
「濡れてるだろ?」
聞きなおすといずみは頷く。
「恥ずかしいの好きだろ?」
また頷く。
「俺の下僕って太ももに書いたよね。」
[....はい。」
いずみは、視線を合わせようとしなかった。
「ボタン外したいよね。」
やっと、いずみはつれづれの方を向く。恥ずかしそうにしながら、「本当に?今?」と確認をしてくる。
つれづれは、視線で、肯定した。
いずみは周りの視線を軽く確認すると、ボタンを外した。
ブラウスの同色系のボタンのため、正面から見ると、外れているのは解らなかったが、横から見ると、
白いブラと、ブラから溢れそうないずみの胸が見えた。
「小説読んでて良いよ。僕は胸を見てるから。」
つれづれは笑っていた。
ただ、いずみは小説何処では無さそうだった。
少し、目が虚ろっぽく見える。
小説を読む様な様子では無かったため、つれづれは、いずみの前にあるパソコンを操作しようとする。
「何本か数えようか?」
いずみはそれで理解したようだった。
もちろん、僕のPCは、横から見えないスクリーンがあるため、他人に見られる事はないのだが、
いずみは、恥ずかしそうにする。
スクリーンにいずみの排泄器官のアップが表示される。
「む、無理....」いずみはスクリーンを手で隠そうとする。
「そんなに慌てたら、周りが怪しむって!」
さすがのつれづれもびっくりするほど、の必死さだった。
僕の制止で、それに気付いたのか、二人は、静かにいずみの場所を見入ってしまった。
さすがに、本当に数を数える訳にはいかなかった。
画像を片付ける。
”ころ合いかな...”そう思った。
「次は何処行きたい?」いずみに声を掛ける。
「...」 無言だった。
「帰る? それとも一緒に来る?」
いずみは、返答に困っている様だった。
「行くって...何処行くんですか?」
つれづれは、いずみのその答えに期待した。もう体はびしょびしょなのだろう。
「二人だけの所。」 どうするかはいずみに任せた。
二人は、ファミレスを出る。
坂を登れば、駅からは遠くなる。 下れば渋谷駅だった。
つれずれは迷う事無く、坂を上る。
ふと、横を見ると、いずみが居た。
「ホテル行くけど、来る?」 何の比喩も無しだった。
いずみは軽く頷いた。