晴れやかな日差しの中で、圭子はオフィスビルが立ち並ぶ道を闊歩していた。
30階は、超えようというオフィスビル群の中でも一際、美しさを誇るビルに圭子は、入っていく。
”今日から、ここの社員よ がんばらないと!”
学生時代から、圭子は、優秀だった。そのプライドを持って、社会人の扉を開いた。
それから数ヶ月が過ぎた..
圭子は、すぐに、企業の一線に抜擢されたが、そこで働くことの辛さも噛み締めている。
「また今日も、終電が無い...」
仕事が終わり、開放されたころには、新人の圭子しか残っていなかった。
”どうしよう?”そう思いながら、PCの中で稼動していた仕事の書類を保存した。
そして、何気なく、ブラウザーを起動する。
「あれ! この女優、脱いだの?」
見出しのニュース欄に記事が掲載されている。
思わず、詳細ページに進む。
「綺麗な体...」圭子は、その画像を見て思った。
誰もいないオフィスの静けさと、仕事が終わった開放感で、普段は閲覧もしないページに
圭子は、ネットサーフィンを続ける。
「すごい!」圭子は、思わず声をあげる
18禁のページに、いつの間にか入りこんでいた。
そのページには、縄に縛られ、俯いている女性の写真が掲載されていた。
「この女性..なんでこんなことを...どんな気持ちなんだろう。」
圭子は、そのようなページを見て回る。
自分の気分が少しずつ、高まっていることに圭子自身は気付かなかった。
マウスから手を離し、ぼんやりと、圭子は、妄想を始めた。
”嫌よ!”
妄想の中で、圭子は、屈辱の要求を受けていた。
圭子は、知らない男の前で、スカートを捲くるようにと命令されている。
”なぜわたしがそんな事を..”
”借金返せるのか”
”それは...そんな!”言い訳もいえないまま、圭子は、スカートを捲くっていく。
”恥ずかしい..”
知らない男の前で、理不尽な理由を付けられ、羞恥の行為を要求される。
そう思うと、圭子は、興奮した
”私って.....変?”
圭子は、普段、オフィス街を風を切って歩く自分にプライドを持っていた。
もちろん、周りの男達も、圭子が、秀麗で勝気な女性と思っていた。
「なんて事考えてるの私..」圭子は、高揚してはいたが、自分が妄想した内容に唖然とする。
「こんなの嫌!」そう呟くが、心の中の新たな自分がささやいた。
”あなた、高いプライドを持ってるでしょ?” けどね..
”そのプライドを理不尽な理由で踏みにじられたいんじゃないの?
それも自分の軽蔑しているような男に...”
「そんな事無い..」そう言ったものの、圭子は、自分の欲望に気付いてしまった。
「もう帰ろう。 疲れてるのよ...」
その言葉とは、裏腹に手は、マウスを持ち直していた。
Windowには、羞恥に震える女性の画像が広がる。
その画像の脇には、その女性がいたぶられる経緯のストーリーが記載されていた。
(ぬぎますじゃねえ、ご覧くださいだろ!)
(そんな事言えない..)
(ほお! 妹がどうなっても良いんだな?)
(妹には、手を出さないで!)
(だったらどうすんだ?)
(...ごらんください)====>写真
圭子は、そのストーリーを読み、興奮した。
「私...」
自分の胸が熱くなる。その理由は、明快だった。
写真や、画像では無かった。
文章の中の主人公に自分を当てはめ、感情移入しているからだった。
「...ご覧ください。」圭子は、妹を守るため、現実の世界で、実際にスカートを捲くる。
誰もいないオフィスで、圭子は、PCの前に座り、自分の白い太ももを露にした。
「誰か来ちゃう!!」そんなことは無いと解っていても、羞恥が募り、さらに高揚する。
”...もっと!”
マウスが動き、検索サイトに向かってキーボートを叩く。
”羞恥 小説”
あっという間に結果が現れる。
なんとなく、マウスがクリックしたサイトに飛んだ。
そのサイトは、何の画像も無く、寂しいサイトだった。
なんとなく先頭の小説に目を通した。
主人公が、お手やカエルの真似をさせられるシーンが記載されていた。
けしてエッチなシーンではなかったが、
場違いなところで、それもあまり知らない男性の前で羞恥の行為をしなければならない、
屈辱感というか、みじめさに、圭子は、興奮してしまった。
「やだ...」1章を読んで呟く...
「白い下着を見られてしまった...」
もうそれは、主人公の玲奈では無く、圭子自身だった。
「.....」時間も忘れ、次々と読み進めていく。
始めて羞恥小説を読んだこともあり、圭子の感情移入が進んでいく。
もう夜の1時を超えていた。
そんなことも気付かず、圭子は、無意識に自分の胸に手を当てていた。
「..乳首立ってます。 私の.乳首立ってます。 あっ乳首..。」
圭子は、誰もいないオフィスで呟いた。
”私、本当に乳首立ってるの....” 妄想と現実が入り乱れる。
小説を読み終えるころには、自分の下着も取り替えなくてはいけないほど、湿っていた。
あまりの興奮に圭子は、驚く。
「私に...こんな性癖があるなんて...」
圭子は、その小説をもう一度読み始める。
もう自分の性癖に目覚めてしまったのかも知れない。
玲奈が狩場の前で、羞恥に打ちひしがれながら、乳首を摘む。
圭子は、そのセンテンスを読みながら、自分のブラウスの中に手を差し入れた。
「見ないで!」 玲奈と一緒に圭子も呟く。
「拡げろ!」 今度は、狩場が圭子に命令する。
「..できない...やります。」 誰もいないオフィスで、圭子は、狩場の指示に従うしかなかった。
はだけたブラウスを気にも止めず、手を自分のストッキングのしたにある下着に差し入れる。
「..ま○こ..拡げます..」圭子は、呟きながら、下着の中の指を拡げた。
「あっつああああ。」圭子は、我慢できず、そのまま自分の中心をまさぐる。
”知らない男の趣味で書いた欲望の小説に、私は従わなくてはいけないのよ!”
圭子の腰が、オフィスの椅子から跳ねた。
「私..どうなるの...」圭子は、そう思った。
しかし、小説は、完結していなかった。
”この気持ち...”
圭子は、そのホームページを見つめる。
見つめてていても、当然、新しい章が現れるわけでは無かった。
圭子は、下段にあった「ご意見ご要望」のリンクを押す。
「私への質問、要望、感想、よろず相談承ります」が圭子の目に留まる。
圭子の胸が高鳴る。何を書けば....そう思ったが、キーを押下した。
はじめまして。
小説を読んで恥ずかしいのですがすごく興奮してしまいました。
自分に当てはめて楽しんでいます。
小説を読んでこんな興奮したのは初めてかもしれません。
良かったら、メル友になってもらえませんか?
圭子は、送信した。
”送信しちゃった...” その行為自体に圭子は、興奮する。
少しの時間が流れた。
「You Gota Mail!!」 圭子は、緊張した。
メールを確認し、一読する。
胸の鼓動が高鳴る。
圭子は、返信を書き出した。
早速返信がきたのでドキドキしています。 メールも緊張して書いています。
私はエッチな小説を読むときは主人公が自分に成り代わってしまうんです。
裏口就職希望者と言われてのお手やカエルの真似をさせられる場面。
けしてエッチなシーンではないのですが、場違いなところで、それもあまり知らない男性の前でそういった行為をしなければならない、屈辱感というかみじめさを考えると興奮してどうしたらいいか解らなくなってしまいます。
そして送信する。
「私、こんなこと知らない人に話していいの?」圭子は、そう思う。
ただ、高鳴った胸の内をどうしていいかわからない。
「You Gota Mail!!」 あまりに早い返信に圭子の緊張は、高まる。
”””””
こういう性癖を私に告白しちゃうなんて...
僕の性癖をご存知ですよね。
圭子さん普段は、パリッとした感じですか?
電車の中でお会いしたら、睨まれるどころか一瞥されてお終りなんででしょうね。
それでも、僕の小説を読んでしまうと、下着濡らしちゃうんでしょ?
その汚れた箇所を僕に良く見える様に、晒してよ。
普通の子ならできないことだけどね。
もっとも、普通の子は、知らない男に”興奮してる”ってメール出さないよね。
”さすがにそんなことできない...”って思う?
理不尽な理由が欲しい?
圭子さんには、理不尽な理由すら必要ないね。
「見せてよ」って言われたら、素直に露呈するだけだね。
違う?、見てくださいって返信したいんでしょ。
その程度なんだよ。
ほら、乳首摘まんで立たせな。
ああ、もう立ってるか.. 摘む必要もないんだね..
””””””””
その返信に圭子は、氷ついた。
”な、何? 私は変態じゃない....なにこいつ!”
そう思ったが、メールの内容が、圭子の頭の中から離れない。
嫌悪しながらも、繰り返し、その返答を読み返してしまう。
「下着の汚れを見せろってこと? なぜ私がこんなやつに?」
そう言ってみるが、圭子の下着は、既に汚れていた。
「嫌よ。空想と現実は違う...」さらに否定の言葉を吐いた。
が、圭子は、頭の中で、
”どうやって、見てもらえばいいの?” 既に方法の考えに移っていく...
圭子は、とりあえず、返信を送付してみる。
””
写真を送れという意味でしょうか?
言葉で返信すればいいのでしょうか?
””
その返信は、たったの1行だった。
”圭子さんは、どうしたいのですか?”
圭子は、その返信を読むと、膝が震えた。 ”私....見てもらうの?” 圭子は、自分に問いかける。
しかし、もう答えは決まっていた。
誰もいないオフィスで、スカートの中に手を入れる。
ゆっくりと、ストッキングを脱ぎ、ついに、下着に手を掛けた。
”嫌!!” 心の呟きは、自分の行動と離反していく。
圭子は、太ももに自分の手を滑らせ、下着を降ろしていった。
圧迫を失った圭子の体が軽くなった気がする。
それと相反して、自分の罪悪感が、重くなる。
”こんな物を、知らないやつに?” 拡げた下着は、陰部が濡れていた。
手元にあったデジタルカメラのモニターを見る。
モニター越しに、自分の恥ずかしい物が投影された。
”嫌!”自分の行為に嫌悪をするが、やめることができない。
圭子は、自分を特定されないように、私物をどかし、今日の新聞が写るように下着を新聞の上に載せる。
シャッターを押下するとフラッシュが光った。
”あっ”圭子が声を上げる。
その声は、フラッシュに驚いたのか、
ノーパンで、他人に見せるために、自分の汚れを記録する行動をしてしまったことに驚いたのか、
自分にも解らなかった。
そしてPCに向かう。
圭子は、自分の性欲行動に羞恥、罪悪感、だけでなく、期待感がいやおうなしに襲う。
”あんなやつ..”そう思うが、その男が、自分の汚物を見て興奮すると思うとマウスを持つ手が震えた。
”””
200*年*月*日 今日は、白の下着でした。
普通の子にはできない事を、私はやってしまいました。
恥ずかしいのですが、ご覧ください。
けど、私は普通の女の子です。
”””
圭子は覚悟を決め、送信ボタンを押した。
羞恥は極まり、下着の無い、圭子の下腹部から太ももに何かが流れ落ちるのを感じた。
”どんな返信が来るのかしら?”
圭子の妄想が広がっていった。
圭子は、ここが自分のプライドの光り輝く、憧れのオフィスであることを思い出す。
時計の針が3時を回る。
本能の時間から、現実の自分に戻るためには、睡眠が必要だと思った。
”また明日。おやすみなさい”
圭子は、自分のデスクで仮眠を取ることにした。