美夏の大学2年の春のことだった。
美夏は、一般教養の受講のため、大学の講堂に向かった。
女子大にもかかわらず、一般教養として物理基礎講座があり、理系の講座も何こまか履修する必要があった。
美夏の成績は、高校時代から優秀だったが、どちらかと言うと、理系は、苦手だった。
物理という苦手講座を受けるため、なんとなく憂鬱だったが、
1回目の講義を聴いて次回が楽しみだった。
それは、その講師が、俳優に見間違えるような好青年だったからだ。
そのように思ったのは、美夏だけでなかったようで、通常女子大の物理は、がらがらなことが多いのだが、
彼の講座は、満席に近い生徒が集まった。
「椎名先生っていいよね、彼女いるんだろーね。」美夏の隣で、真子がため息をついた。
「あの冷たそうな話し方がいい。」別の子も同調する。
「彼女いても私待つ。私がんばる。」美夏は、自分の都合で言った。
「美夏なら手が届くかもね。私じゃ到底無理。」真子が美夏にいった。
美夏自身、今まで何度も男に言い寄られてきていた。
うぬぼれるほどではないが、明るい性格もあり、そこそこ、もてる方だった。
毎週、その講義に出席するのが楽しみだった。
椎名先生の顔を見れ、声を聞けるだけでも良かった。
その間に、うわさで何人もの受講者が、椎名に告白をしているようだった。
彼女はいないが、今は研究に集中したいとの理由で全員玉砕していた。
ただ玉砕した子たちは、椎名先生は、冷たい。とのうわさも流れた。
夏のとある講義で椎名は、生徒に天文物理学の野外実習をすると発表した。
「ただ予定より人数が多いため、数名程度を選抜し、選抜者に後ほど発表を行ってもらうことにします。」
椎名が言った。
構内がどよめく、”数名?”という声と、”後で発表しなきゃいけないんだ。”
という感じだった。
「希望者は、出席表に”実習希望”と”理由”を書き込んで提出ください。」そう言って講義を終えた。
美夏は、当然、”実習希望”と書き込み、思いを書いた。
1週間が過ぎ、次の講義の最後に3名の選抜者が、椎名から呼び出された。
運が良かったのか、美夏もその中に入っていた。
「では、来週の18日から3日間、個人所有の天文台で実習しますのでよろしくお願いします。」
椎名が美夏たちに告げた。
「椎名先生。よろしくお願いします。」美夏の隣にいた生徒が、ここぞとばかりの笑みをたたえ、挨拶をした。
”なに、あの笑顔。”美夏はちょっと、むっとした。
「初日の移動中のお昼は、私が作ってきます。」別の生徒も張り合うように椎名に言った。
美夏は、彼女らの行動に遅れないように、
「私は..事前に準備することがあれば、お手伝いします。」とアピールした。
「こちらこそ、よろしく。皆さんには、学業がありますので、負担のない様、準備してください。」
椎名は、さわやかな笑みを残して、講堂を後にした。
選抜された3人は、椎名の思惑があるのか、無いのか、3人とも椎名狙いの容姿端麗な生徒だった。
「では、当日。」3人も笑みをたたえながら、その場を離れたが、美夏が感じた嫉妬感をお互いに、いだいてい
た。
”この子達には負けない。”皆がそう思っていた。
18日当日の朝がやってきた。
11時に学校に集まれば良いのだが、美夏は6時には起きて、身だしなみを整える。
鏡に向かって、
”大丈夫。振りむかせるんだから”とつぶやいた。
全裸で鏡に映った姿は、本人が思っている以上に抜群のスタイルで綺麗だった。
下着をつける際には、昨日購入した新品の白色の上下セットを選択した。
さすがに、山奥の天文台に向かうため、Bobsonのストレートジーンズと、水色と白の縦ストライプの
ブラウスを選択した。
時間に遅れないように、10時には、学校の集合場所に着いた。
そこには、既に、水樹と五月が到着していた。
2人の格好を見て、美夏は、”失敗した!!”と思った。
水樹は、白いブラウスにタイトスカートだった。水樹は胸が大きく、嫌でもほんのりと透けたブラに目がいく。
五月は、ノースリーブのワンピースで、裾丈は短く、胸元は、上から見ると覗けそうな格好だった。
美夏は、2人に敵対の笑みを浮かべ、「おはよう!暑いぐらいのいい天気ね。」といいながら、
”戦うわよ”のジェスチャーで、ブラウスの一番上のボタンをはずした。
11時までの1時間は、椎名の話で盛り上がった。
やはり3人とも今回のチャンスを物にするつもりらしい。
美夏は、2人の事を、椎名の事が無ければ、十分に友達にはなれるかもと思った。
しかし、”だめ。強気でいかなくちゃ。こんなチャンス最初で最後なんだから”と思い直す。
11時の5分前に正門に1台の4駆のワゴンが到着した。
「皆さんお集まりですか?」椎名が運転席から3人に声を掛けた。
「はい。」3人が答えた。「じゃあ乗って。」
すかさずに、五月が、助手席に乗り込んだ。水樹は、助手席の後ろを確保した。
”取られた!”美夏は、そう思った。残された運転席の後ろに座るしかなかった。
天文台に向けてワゴンが、走り出した。
たわいも無い会話があったが、美夏には、
走り初めてすぐに気づいたことがあった。
助手席の五月は、あえてシートベルトを着けずに椎名の方を向いて、時折り資料を出したり入れたりしていた。
”ワンピースの裾短すぎ! 私からも胸元が見えてるって!”
五月の格好を運転席から見れば、短めのスカートから見える太ももと、時折りかがんだ際に胸元が目につくはず
だった。
美夏は、バックミラー越しに見える椎名の視線が、時たま五月の誘惑に負けている事を確認した。
車は、徐々に都会を抜け、田舎の風景に入った。
「そこに、地図があるんだけど。」椎名が振り返り、左手を伸ばした。
美夏と水樹の間にあるコンソールボックスに手をかける。
普通だったたら、地図を取り出すだけの行為だったが振り返る椎名の顔に美夏は高鳴りを覚えた。
「あっ ごめん。」椎名が謝った。
美夏は、椎名の指先を見た。その手は、誤って水樹の胸を触れてしまったらしい。
が、水樹があえてしない限り起こりえない体勢だった。
”水樹。ずるい。”美紀は水樹を睨んだ。水樹はそれに気づき、余裕の表情で、微笑み返してきた。
「わざとじゃないんだ。」椎名は、すまなそうに水樹を見つめる。
「先生ならいいです。 気にしないでください。」水樹は、自分の手で胸を押さえ、豊満な胸をさらに強調した
。
なんとなく遅れを取っていると美夏は思っていた。
”アピールしないと”とチャンスをうかがっていた。
「あと少しでつきます。少し休憩しましょう。」椎名は、車を緑の広がる原っぱのようなところに止めた。
「ランチ作ってきました、」五月は、荷物を広げ、3人を誘った。
五月は、椎名の目の前で、準備を始めた。
水樹と美夏も手伝っていたが、五月の格好は、車の中以上だった。
椎名の目の前でかがんで準備をするため、美夏の位置からもワンピースの胸元が大きく開き、
五月の胸元とブラがよく見えた。
水樹ほどではないが、十分にボリュームのある胸元だった。
しかも、ブラがワンピースに合わせて紺だったため、水樹の白い胸は、
より強調されて見えた。
”椎名先生、興味あるのかしら”美夏は、視線を椎名に向ける。
しばらく観察すると、申し訳なさそうな顔をして、五月の胸元を見ていた。
それと同時に、椎名の視線は、水樹にも向けられた。
ランチシートに座ったタイトスカートの水樹は、その椎名の視線を確認すると、
足を崩し直し、”ちらっと”見せていた。
美夏は、2人の行動を見て、自分も何かしなきゃと思った。
ランチが終わり、椎名が立ち上がると同時に、美夏も立ち上がって、
何かにつまづいた様に、椎名にしなだれかかった。
「大丈夫?」椎名が美夏に話しかける。「足がしびれてしまったようです。」と答えた。
「少しこのまま動かない方がいいね。」椎名は、そういった。
「ありがとうございます。」美夏は、その間、椎名に寄りかかり、
椎名の腕に自分の胸の感触を覚えてもらえるように押し付けた。
うまい具合にボタンをはずしていたワンピースが、胸を押し付けることによって、
若干開いた。
”この位置で椎名先生がこっちを見たら、胸元を見られちゃう。”
うれしさと恥ずかしさが、美夏を包んだ。このまま時間が止まればいい。
そう美夏は思っていた。
「大丈夫?」五月が声をかけてきて、美夏の手助けをした。
この行為によって、椎名との密着は終わってしまった。
美夏は、何気なく五月を見ると、若干睨まれている気がした。
ランチも終わり、天文台に着いた。個人所有ということだけあり、
銀色の半球体が屋根に乗っていることを除けば、普通の別荘だった。
「綺麗。別荘みたい。」美夏たちがはしゃいだ。
表札があり、そこには、”椎名”とあった。
「個人所有って、先生のですか?」水樹が椎名に聞いた。
「大したこと無いけどね。土地はただみたいなものだし、温泉使用料が若干かかるかな。」
と答えた。
「温泉があるんですか?」水樹が驚く。
「使うなら使っていいよ。 1つしか無いけど、僕はシャワーにするから。」そういった。
「私は気にしません。一緒でも。」水樹が答える。
同じ風呂を使う事と、同じ時間に一緒に入るのでは、大きな違いだが、水樹の答えは、
どちらにでも取れる言い回しだった。
「えっ。ああ。悪いけどそっちの方がシャワールーム汚さなくて済むから助かるよ。」
椎名は、言い方が後者っぽかったので驚いたが、前者の方でも通じるし、通常は前者なので、
あわてて取り繕った。
「私は、一緒に入りたいな。」五月があわてている椎名に声を掛けた。
椎名は、びっくりしたように、五月を見つめ、一瞬驚いていたが、
「からかわないで欲しいな。 本気にするよ。」五月に笑いながら答えた。
美夏は、その様子を見て、
”さすがにそれは無理”と思ったが、椎名と2人で温泉に入るシーンを妄想してしまった。
”お背中お流しします。””ああ、頼むよ。美夏”妄想の中で、椎名がやさしく微笑んだ。
「どうしたんですか? 部屋の中にどうぞ。」実物が美夏に声を掛けた。
「きゃ!は、はい。」 思わず慌ててしまった。
背中を流していた人...その微笑は、妄想以上だった。
4人は、部屋に入った。「準備してください。」椎名は、事前に説明してた通り指示した。
*
夕方になり早めの食事になった。
4人は、たわいない話をしていた。話はたわいなかったが、銀座のクラブのように、
五月と水樹は、胸元や足を強調していた。
食事も終わり、軽い果物と、ティータイムに入った。
「椎名先生、彼女いるんですか?」水樹が確信にはいっていった。
会話が、そっち方面に向かっていたため、椎名は、自然に答えた。
「彼女は、作らないことにしているんです。」椎名は話始めた。
「まだ研究を一番に考えたいんです。まあ僕も男だから、誰かが恋しくなった時は、
”それでもかまわない”っていう女性とすごしています。」
「残念だけど、今はそんな人もいないんだけど。」最後は、笑いながらだった。
「もちろん、悪いと思っているんだけど、彼女となると、研究どころでなくなってしまう性格なんです。」
普通の男が口にすると、”ただ遊んでいるだけ”と取られるが、
普段の研究熱心で、秀麗な椎名が、言うと、納得してしまう内容だった。
「じゃあ、私、立候補します。」大胆にも五月がいった。
「ごめんね。だから、彼女は、作らないって...」椎名が五月に答えた。
「”それでもかまわない”って方でいいんです。」上目遣いで、恥ずかしそうに五月が答えた。
”五月...”美夏は、五月の言動に若干びっくりした。
”不特定の相手..”なんとなく美夏もそれでもいい。と思った。
1日でも椎名と共有の時間をすごす...そんなことを考えた。
「私も...」水樹が五月に同調した。椎名が二人を見て、
「僕にとってはありがたい話だけど、君たちみたいな、
かわいい子、僕でなくても男が言い寄ってくるでしょう。」
椎名は、それとなくかわしたが、否定はしなかった。
「私は、椎名先生がいいんです。」水樹が答え、さつきがうなずいた。
「本当にいいの?」椎名は、肯定の答えをした。
美夏は、2人が椎名を占有している姿を想像した。 許せなかった。
「椎名先生。私も候補に入りたいんです。」美夏は、その場の様子も手伝って、椎名に向かって言った。
「君たち..言ってることが解ってる?僕たちは子供じゃないんだよ」椎名が確認するように言った。
五月と水樹はうなづいた。
美夏も”椎名先生だったら、うれしい”そう思った。
「解った。けど、3人は難しい。誰か一人を選びたい。どうやって選べば...」椎名が言った。
”選ばれたい。”美夏はすぐにそう思った。椎名先生は、どのように3人から選ぶんだろうと思った。
そのとき、水樹が提案をした。
「椎名先生がしたいと思う事を私たちが考えて、順番にやっていくのはどうですか?」
「僕がしたいと思うこと?」椎名が繰りかえした。
「たとえば、」水樹はそういいながら、大胆な行動にでた。
椎名の手を取り、その手のひらを自分の胸に押し付けた。
「..こういうことです。」水樹は恥ずかしそうな顔をしながらも真剣に言った。
椎名の手には、服の上からでも明らかにわかる水樹のやわらかく豊満な胸の感触があった。
「嫌ですか?」水樹が椎名に確認した。椎名は何か言おうとしたが、五月がさえぎった。
「水樹の番はおしまい。今度は私。」そう言って立ち上がった。