「ひ、酷い...玩具じゃないのに...」
露になった胸を回覧していく美咲も、たまらず声を挙げる。
既に、少し、鈍痛が残っている。

ただ、教室からは、決して許されない状況を作り出していた。
美咲は、その状況を察する。
もちろん、香織たちの視線を跳ね除けることなど出来なかった。

「....延ばしてください。」
目の前の、男子生徒に、美咲はお願いをする。
悔しさと、恥かしさがこみ上げ、目に涙がたまっていく。

ただ、男子生徒は、かまわず、美咲の敏感な所を無造作に摘む。
「痛い...」
それも、全く関係ないかのように、言い放った。

「俺が、一番延ばしてやるからな。」
そう言って、かなりの強さで、引っ張った。
「あああっつ痛い...痛いの...」

毟られるような痛さが、美咲を襲う。
ほのかに、立っていたピンクの乳首は、真っ赤に腫れ、明らかにいびつに歪んでしまった。
「あは。左右の大きさ違っちゃった。」

男子生徒は、反省どころか、悪びれもせず、美咲のアンバランスになってしまった乳首を、
指しながら、笑っていた。

それから、美咲は、何人の男達に、同様に回覧して回る。
終わる頃には、真っ白な胸も、鷲づかみされた指の後が残るほどになっていた。

”やっと終わった...”
ショーツ1枚の格好で、美咲は、自分の席に戻り、香織に告げる。
「こ、これでいいでしょ? 満足でしょ? もう、もう許して。お願い。」

そこまで一気に言う。
香織は、笑いながら、許さないと返答しようとした時だった。
真っ赤に腫れてしまった美咲の胸を見て、美咲よりだった女生徒が、香織に詰め寄った。

「香織さん。なにがあったか知らないけれど、もう許してあげなよ。」
それに同調する仲間が増えていった。
人間の群集心理には、恐ろしい物があった。

ついさっきまでは、美咲を玩具にすると言っていた輩まで、香織を襲う。
「わ、解ったわよ。 今回は、許してやるわ。」
そう言って、香織がそっぽを向く。

結論がでると、博恵と、香織を除いた女子生徒が、コロリと変わり、
美咲に、”大丈夫?”と声を掛ける。
「香織も、博恵もやりすぎなのよ。」

そんなフインキに教室が変わっていく。
”よかった....終わったのね...”
美咲は、手渡された衣服を見に付けると、少し安堵する。

香織は、その取り巻きを見て、一人いらついていた。
”こいつら、調子に乗りやがって。”
香織は、何も躊躇しなかった。カバンから、昨日の美咲と京子の痴態の写った写真の束を取り出す。

そして...何も言わず、教室中にばら撒いた。
「うわ! 美咲だ!」
拾い挙げた写真を手にした男子生徒が、声を挙げる。

「嫌!!!!!!!」
美咲の絶叫が教室を巡る。

香織は、その美咲の悲鳴を聞いて、細く笑むはずだった。
ただ、一旦傾いた群集心理は、直ぐには戻ることは無かった。
「貸しなさいよ!」

1人の女子生徒が、男子からその写真を奪う。
「あんた達!この写真の事ばらしたら、ただじゃ置かないから!」
そう言って、全ての写真を集め、美咲に手渡す。

「大丈夫。守ってあげるから。」
驚いたのは、香織だった。
自分の思った方向に行かない....あせっていた。

あせりは、簡単に群集に伝わる。
今まで、香織に手を出せなかった..香織に痛い目に合わされた者が動き始める。

「こんなライターのいたづらするなんて...香織! ひどいわ」
1人では対抗できなかった女子生徒が、香織にはむかう。
「自分にやられたこと無いから出来るのよ!」

「ほら!井上。あんた手伝いなさいよ。」
美咲シンパの女生徒が、井上に声を掛け、香織のカバンの片隅のコードの付いたライターを取り上げる。
さすがの香織も、男子の力には勝てなかった。

「香織の写真も、同じように撮っちゃえば、いいのよ。」
あっという間だった。
数人の男子に取り押さえられた香織は、制服を脱がされることは無かったが、
スカートを捲られ、水色のショーツが露になる。

「お前ら!! ふざけんな。唯じゃおかないから!!」
香織の悲鳴は、何事も無いかの様に打ち消される。
同意も糞も無かった。

その時、1人の男子生徒の手が、香織のショーツに届き、一気に引きずり降ろす。
「片方づつ持って!!」
その合図で、2人に両足を持たれた香織は、もう、どうする事もできなかった。

「カシャ。」
「やめろ!!!!!!!!!!」

幾ら強気な香織とは言え、白い太ももを無理やり広げられ、その合わせ目には、
美咲さえ、晒さなかった性器が露になる。
今までの香織の態度とは裏腹に、合わせ目の郡毛は、薄く、その中心に見える筋は、太ももの色と同色だった。

「撮ったわ!」
その掛け声と共に、香織は、ぐったりとなる。
井上がこの期に及んで、香織の性器に釘付けだった。
「どうせだから、中見ようぜ。」

井上は、香織の中心の襞を指で露骨に広げる。
「ああああ...」
香織の声とは思えない喘ぎに似た声が挙がる。

「カシャ。カシャ。カシャ。」
さまざまな角度から、数台の携帯のシャッター音が鳴った。

香織を掴んでいた男の手が離れる。
香織は、必死に体を硬くし、先ほどの美咲のようだった。
「香織この写真ばら撒いて良い?」

どこからか声が聞こえる。
香織の返答を待たず、声が続く。
「いやよね? だったら、これ付けるから足拡げて、皆に見えるようにしてよ。」

ライターだった。
「どうせだから、教壇の上で、ひくつく香織が見たいな。」
そんな声が聞こえた。



「きゃあああああ。」
美咲の耳に、香織の悲鳴が聞こえる。
香織は、教壇の上で、全裸にさせられ、性器と乳首にライターを付けていた。
「ああああああ。」

群集は、自分でスイッチを押すことはしなかった。
携帯で撮った写真をネタに、香織自身に、そのスイッチを入れさせた。
そのたびに、香織の体が痙攣するように跳ねる。

”香織..可哀想....”
美咲は、香織の悲鳴を聞きながら思った。

みんな、誰かを貶めなくちゃ居られないのかしら...
表面では、そんな事を美咲は思ったが、自分の心の奥底で、なにか違う感覚が生まれる。


香織の体が跳ねるたび、美咲の守りきった性器から、何かが溢れてくる。
”もし、あれが、私だったら...”
香織の体を流れる電流が、昨日のように、自分にも流れてくるようだった。

”また私が標的になったら....”
そう思うと怖かったが、解放された安堵からか、美咲は、自分の体に流れる、
羞恥と屈辱の電流を何処かで期待してしまった。

今は、まだ結論が出なかったが、解放されてみると、何と無く昨日までとは違う自分が居る。

”もう二度とこんな目に会うなんて嫌。”
”もう、学校に来なければいいのよ....”

美咲は、心の中で必死に叫び、自分の体に流れる電流を押さえようとした。

ただ、明日からもまた学校に来て、この異様なクラスの標的になる順番を待つことを自分で決断するとは、
この時点では思いもよらなかった。



END