狩場は、わざとらしく、玲奈に並んで歩き始めた。
玲奈は、無視することもできず、一緒に歩く。
”今日も?” 玲奈の体に緊張が走る。 狩場は、それを感じ取ったかのように、腰に手を回す。
「テープ帰して欲しい?」狩場が、玲奈の腰をなでながら言った。
”いつ見ても上物だな。今日も楽しませてもらう。”狩場は、今日起こることを想像し、早くも興奮していた。
「返して!」玲奈は、狩場の腰の手を許容しながら、言った。
「ほら。ここに持って来た。 ただし、今日は言うことを聞いてもらうよ。」
狩場は、玲奈に詰め寄った。
「本当に返してもらえるの?」玲奈は、疑わしそうに言う。
「もちろん。」狩場は、玲奈を言い含めるように話出した。
「これを公表して困るのは、君だけど、私だって罪になるでしょ?」
「始めに言った通り、俺を一通り楽しませれば、開放してやる。」
「K薬品の内定も取れたし、テープも持ってきている。金も要求していないだろ?」
狩場は、タタミ掛けるように説明する。
「様は、上流階級の酔狂にちょっと付き合えばそれで、君の夢もかなうんだよ。」
玲奈は、狩場の説明を聞き、狩場の言葉には、嘘が無いことを認識した。
”けど..何処まで自分を貶めなければなら無いの”
玲奈は、そう思うと、俯くことしかできない。
「いつまで...やら無きゃいけないの?」玲奈のハードルが変わった。
もうどうする事も、選択の余地も無かった。
ただ、我慢の期限だけは、決めて欲しかった。
絞りだすように言った、玲奈の質問に、狩場が答えた。
「まあ、所詮、直ぐにお前の体なんて飽きるよ。」微妙な答えだった。
”私の体は、何なの? 道具?”
玲奈は、飽きられて捨てられる、玩具を想像した。
「...直ぐに..」そう答えることしかできない。
「約束は、できんが、ここ何日かのことだよ。」狩場が、やさしく言った。
「そのかわり..酷いことはしないで...」玲奈は、肯定の返答を返した。
”私は、何処まで落ちるのかしら?...”
”けど、飽きられて、開放してもらわないと、一生怯えて生きなくちゃいけなくなる...”
玲奈は、何とか蹴りを付けたかった。
「さっぱりと開放してやるけど、酷いことは、してもらうよ。」
狩場は、玲奈に答える。
「....」玲奈は、何も言うことはできなかった。
”酷いことは、..してもらう...”脳裏にその言葉がこびりついた。
「さあ!今日は、こっちだ。」狩場が、ある曲がり角を玲奈を引き連れて、曲がった。
”酷いことをされに行くの..”
玲奈は、狩場についていく。
1人は、笑いながら、1人は、悲痛な面持ちで、歩いていく。
しばらく歩いたところで、狩場が、玲奈の尻をわざとらしくさする。
”こんなところで...”玲奈は、そう思いながら、されるがままであった。
「薬の研究者になるんだよね。」狩場が、突然語り始めた。
「はい..」玲奈は、答える。
「薬の研究って事は、その顔で、モルモットや、動物を薬中にして殺すんだ。」
狩場は、研究者の最も黒い部分を指摘する。
「..けど、今後、人のために役にたってもらうためには..」
玲奈は、言い訳を言い出した。
「人間だって、始めは、実験みたいなもんでしょ?」狩場がさらに問う。
「十分安全を考慮して、納得してもらって投与するんです。」
玲奈は、自分を弁護した。
「納得? 初めての薬を投与されるなんて、そんなの納得する?」狩場は、疑うように言った。
「...けど、そういう患者さんは、その薬が無いと困るから...」玲奈が言った。
「ああ! 今の君の立場ね。」狩場は、そう言って路上で、玲奈の胸を鷲づかみにした。
「やめて!」思わす声が漏れる。
狩場は、周りの目も気にせず、玲奈の胸の感触を楽しむ。
「止めていいのかね。」狩場は、わざとらしく言う。
「..すみません。」玲奈は、胸のたわみを体で感じながらそう答える。
「患者の気分が解ったか!」狩場が、言う。
”これと、患者は、関係ないわ!”心でそう思うが、口からは、別の言葉が出る。
「はい。 良くわかります。」
”悔しい...”玲奈は、自分が情けなかった。路上で胸を揉まれても拒否することができないばかりか、
自分の夢の職業を冒涜される。
揉まれる胸が痛かった。
「本当に解っているか、患者の立場になってもらわないといけないかな。」
狩場が、玲奈に言った。
「患者の立場って...」
玲奈が慌てて聞きなおす。
「知り合いの医者がね、何時もうっぷんを抱えているらしいんだ。」
狩場が訳わからないことを言う。
「様は、彼も医者のモラルがあるからね、患者さんの立場を何時も考えている。」
「人体実験や、性反応とか、もちろん彼の性欲処理とかを、誰かが開放してあげないと、いけないよね。」
「え!」あまりの事に、玲奈の身がすくむ。
「患者とは言っても、最近は、人権問題があって、大変だろ。
そんな事、気にしなくていい若い女が必要なんだ。」
狩場は、恐怖の言葉を吐く。
「君も将来のために、患者がどんな思いで、新薬の実験を受け入れているのか勉強すべきじゃない?」
”....”
玲奈は、狩場の自己都合だけで、他人を弄ぶ命令に唖然とする。
「医者のうっぷんを晴らすのも、薬品メーカの心得だろ!」
さらに狩場が、つめよる。
”拒否できない事、知ってるくせに...自分を正当化させないで”
玲奈は、自分の夢まで罵倒する狩場が許せなかったが、何も言うことができなかった。
「ほら! ”ぜひ、私をお使い頂き、勉強させてださい”って言ってみろ!」
狩場は、最後の命令を吐く。
「....お使いください。..勉強します。」玲奈は、胸をさすられながら答えた。
「よし! 先生の前でもその言葉をいうんだからな。」
狩場は、それ以上何も玲奈に言わせないように、前を向いて、歩き始めた。
2人は、無言のまま、歩き始める。
しばらく歩き、狩場が、指を刺しながら言った。
「そこだ。」
玲奈は、狩場が、指を刺した先を見て、愕然とした。
”こ、ここで酷いことをするの.....”
看板には、山本レディースクリニックとあった。
”産婦人科....”玲奈は、狩場が、与える羞恥行為が、どんなものになるか不安になる。
”本日休診”の札を無視して、狩場が中に入っていく。
玲奈も後についていくしかなかった。
「狩場さん。お待ちしてましたよ。」
中から、中年の白衣を着た医者らしき人物が出てきた。
そのまま、会議室に通された。
「この子が、将来のために、患者の立場を勉強したい子です。」
狩場が、玲奈を紹介する。
”勉強?...”玲奈が困惑した顔をする。
「こんな可愛い子が?」驚いたように、山本が言った。
「実は、某薬品メーカに勤務する予定なんで、先生の後押しが欲しいそうです。」
狩場は、そう言って玲奈を見る。
「山本さんは、昨年まで、T大学病院の教授を勤めていた人なんだよ。」
”そんなことどうでもいい...”
玲奈は、T大学教授が、どれほど権力を持っているか知ってはいたが、自分の身の上を考えると、
眩暈がした。
「ほう。薬品メーカか、普通の学用患者より、いろいろやってもらうよ。」
山本が、玲奈に向かって言った。
「..そんな。」思わず声が挙がる。
狩場が、山本を制するように、言う。
「記録は、NGですが、それ以外は、全てOKです。」玲奈の代わりに狩場が答えた。
「ほら!さっきの言葉!」狩場が、玲奈を催促した。
”記録はされないのね...”それが唯一の救いだった。
”これ以上、狩場を怒らせられない...” 玲奈は、最悪の判断を下す。
「....お使いください。..勉強します。」
必死の思いで、答えた。
しかし、それ以上の言葉が、狩場から出た。
「処女ですが、全ては、山本様の思うようにお使いください。」
”酷い...そんな...”玲奈は、慌てて狩場を見る。
「ほら!お前からも、もう一度お願いしろ。」
「嫌よ! それは許して..」
さすがに玲奈が、叫ぶ。
「誰も奪うなんていって無いだろ! 山本先生のご判断次第だ。そういう態度だと、知らないぞ!」
狩場の一括に玲奈は、呆然としたが、お願いするしかなかった。
「....お使いください。..勉強します。」
玲奈の目に涙が、溜まった。
見かねて山本が返答した。
「君、あくまで診察、医療行為だよ。何を想像しているのかね。」玲奈に語った。
「え?すみません。」玲奈は、慌てて答えた。
「普通は、患者に許可を取って行う行為を許可を一括で得たって言うことなんだが?」
山本の含みのある返答に、玲奈は気付かなかった。
”そうよ! 医療行為なのよ。 変なことじゃない!”
玲奈は、自分に言い聞かせ、山本に返答した。
「よろしくお願いします。」
病院の片隅で、羞恥の陵辱が始まる準備が整った。
ただ、そのことを玲奈は、知らなかった。