こころの教室 体育科学習指導案
1,単元名 「長い距離を走ろう」
2,単元について
・特殊教育では体育指導を学校での生活,その生活の中から発生する一つ一つの行動そのものとしてとらえることから出発する。
授業中での緊張したりリラックスしたりする時の座り方,遊びの指導の授業,清掃の時のぞうきん絞り,机運び,食事の時の箸の持ち方,その一つ一つの場面を平衡機能,全身運動,手指機能,分離模倣などを含んだ運動機能の発露の場として見る。
特殊教育では学校での生活,もっと広く言えば,子どもが生きて動くことそのものを体育として位置づける。
・一般的に言って,知的に遅れのある子どもたちはその身体的な発達や運動能力に器質的な障害や疾病の後遺症,感情の未発達,環境的な因子などによって,身体的発達の遅れ,運動発達の遅れが見られることが多い。
子どもが,最も身体を動かして遊ばなければいけない幼児期,児童期に外へ出て遊ぶ機会が健常の子どもに比べて少ないことが多い。また,家庭での養育も知的な障害という理由で守ってやらなければいけないという保護的色彩が強くなりがちである。その傾向が克服されないまま推移すると,運動機能が十分に育たないだけでなく,社会生活に対する適応(作業能力を含めた運動機能)に影響を与えかねないものである。
運動はとりもなおさず,身体と精神の総合的な適応力であり,人間の生きる力の基礎となるものである。
・本単元でねらうことは大きく言えば,基礎的体力増強,ねばり,気力の養成などである。しかし,いくらこのことについて「ことば」で話しても,子どもたちに伝わるわけではない。一過性の指導では,いくら適時を得た指導であっても自己を啓発し,自ら努力する主体的態度まで変容を促すことは難しいと言わざるをえない。
運動量の確保を主とする「指導の日常化」を図る必要があるという理由から,本単元は年間を通して計画され設定されたものである。
3,児童の実態(略)
4,単元の一年間の見通し
| 期間 | めあて | 内容 |
| T期 5月〜7月 | 「グランドを何周も走ろう。」 | 止まったり,歩いたりしないで,グラ ンドを3周,4周,5周・・・と続けて走ることをめざす。 |
| U期 9月〜10月 | 「グランドを10周走ろう。」 | 途中,歩いたり,止まったりしてもいいので,10周走ることをめざす。 |
| V期 11月〜12月 | 「校内を10周走ろう。」 | 階段や廊下で,足の運びに気をつけながら校内を10周走ることをめざす。 |
| W期 1月〜3月 | 「グランドをスキーで歩こう。」 | ノルデイックスキーをはき,ころばないで,グランドを何周も歩くことをめ ざす。 |
5,本時の展開
(1)ねらい
■全体のねらい
・階段の昇り降りの際,リズムよく走ることができる。
・廊下を自分なりのスピードで止まらないで走ることができる。
■個別のねらい(略)
(2)展開
| 学 習 活 動 指 導 上 の 留 意 点 1,準備体操をする。 ・動きを模倣させる。 ・(T1)演示する。 ・(T2)児童の動きを援助をする。 2,今日のめあてを確かめる。 ・階段の昇り降りはトントンと走ろう。 ・最後まで休まないで走ろう。 3,校内を10周走る。 ・(T1)走ってくる児童に今何周 目かが書いてある掲示板を見せる。 ・(T2)要所で走っている児童の 様子をビデオに撮る。 ・走り終わった児童は汗をふき,ま だ走っている人を応援する。 ・児童の動きがよければ,逆周り5 周も走る。 4,今日のマラソンをふりかえる。 ・今撮った各自の写っているビデオ ・今日のマラソンの感想を話す。 を見せる。 5,記録をつける。 ・走った周回数のシールを記録用紙 に貼らせる。 ・うがい,手洗い等をする。 |