生活単元学習指導案


1、単元名「りんご料理を作ろう」

2,単元の目標
  ・調理に必要な基本的な技能(包丁で切る、皮をむく,煮る、,味付け
   をするなど)の習熟を図る。
  ・料理をすることの喜びを感じとらせ、自分からすすんで調理してみよ
   うという意欲を育てる。
  ・学校での調理実習を発展させて、家での台所仕事への手伝い、家庭で
   の調理への参加機会が増えていくようにする。
  ・決められた時間内にさまざまな作業の見通しを立て,処理する能力を
   養う。

3、単元について
(1)指導要領との関連
   養護学校学習指導要領,小学部の各教科の目標及び内容では,
    [生活]2,内容
     ○一段階
      (6)教師と一緒に簡単な手伝いや仕事をする。
     ○二段階
      (6)教師の援助を受けながら簡単な手伝いや仕事をする。
     ○三段階
      (6)日常生活で簡単な手伝いや仕事を進んでする。
  となっている。

(2)特殊学級における調理実習の意義
   特殊学級において、調理実習を大きな学習活動のひとつとして、取り上げ
  るのは、次のような意義があるからである。
    ・調理という素材を取り上げることにより、家庭と学校の関係が密接に
     なっていくこと。
    ・それによって、子どもたちが家族の一員として、生き生きと活動で
     きる場がつくられること。
    ・子どもの興味ある食生活と結びつき、導入しやすいこと。
    ・毎回、導入から評価まで完結し、子どもに理解されやすい流れをも
     っていること。
    ・内容も豊富で、扱い方によっては様々な学習活動が展開できること。
    ・児童にその時々の細かい判断や、問題解決、見通しを立てた行動が要
     求されること。
    ・発達のレベルや要求水準に見合った課題を準備できること。
    ・成功感、失敗感を明確に味わうことができること。
   生活につながる指導という点から言うと、全カリキュラムの中で、調理実
  習の学習が果たす役割は特殊学級の中で非常に大きいと言える。

(3)単元設定の理由
   りんご料理を調理実習の題材にしたのは,次のような理由による。
    ・りんごそのものになじみがあり,身近にあって,手に入りやすいと
      いうこと。
    ・りんごを使った料理にいろいろなバリエーションがあり,多様な活
      動が期待できるということ。
    ・りんごの料理で得た技能が他の料理の際にも生きていくこと(例え
      ば,りんごの皮むきで得た技能が他のじゃがいもやにんじんの皮む
      きに応用できるなど)。
   なお,本単元は短期間の中で,集中的に時間をさいて取り組むよりも,長
  期間の中で,その都度,中心になり活動を決めて取り組んだ方が,技能の高
  まりや定着,生活への般化が図られると判断し,3月までを見通して計画を
  している単元である。

4、児童の実態 (略)

5,指導計画

小単元名 時期 時間 内容
りんごの皮むきをしよう。         11月 8時間 果物ナイフでりんごの皮むきをする。
コンポートを作ろう。  12月 3時間 りんごを皮むきし,砂糖で煮て,みん なに食べてもらう。
りんごジャムを作ろう。 1月 4時間 りんごを細かく切り,砂糖で煮つめて いく。
りんごのサラダを作ろう。 2月 4時間 りんごを細く切ったり,他の野菜も切 って入れながらサラダを作る。
アップルパイを作ろう  3月 4時間 パイ生地に調理したりんごをつめ,オーブンで焼く。


6、本時の指導 「コンポートを作ろう」(1/3)

(1)ねらい
  ■全体のねらい りんごの皮むきを少ない援助ですることができるようにする。
  ■個別のねらい (略)

(2)本時の展開

     学 習 活 動        指 導 上 の 留 意 点 
1,身支度をする。  ・三角巾とエプロンを身につけさせる。
・結び方ができないところは部分的に援
 助する。
2,今日のめあてをつかむ。  
               
       親指で皮をおさえながら,りん
      ごの皮むきをしよう。
    
・りんごを1/8に切ったものを使う。
3,りんごの皮むきをする。  
               
 @りんごの両端の部分を切り落
 とす。       
               
               
               
               
 Aりんごの皮むきをする。  
               
               
               
               
               
               
               
 Bたねの部分を切る。    
・@ABの作業を演示し,流れを理
 解させる。
・演示をしっかり見るよう個別に注
 意を喚起する。

・りんごを斜めに立て,左手で動かない
 ようにしっかりりんごを押さえさせる

・ナイフを持った右手は,必ず,親指で
 りんごの皮を押さえさせる。    
 ・左手はりんごがぐらつかないように
 っているか確認する。

・りんごを斜めに立て,左手でりんごを
 動かないように押さえ,たねの部分を
 切り取らせる。          
・Bの作業まで終わったりんごは塩水に
 入れさせる。           
・随時,子どもの動きをビデオに撮
 る。
4,りんごの皮むきの発表会をし
 よう。 
・みんなの前で一人づつりんごの皮むき
 をさせる。
5,自分の皮をむいている様子の
 ビデオをみよう。
・自分が皮むきをしているビデオを見せ
 良いところをほめる。
6,今日の勉強の感想をを発表 
 しよう。
・自分なりの言葉でがんばったところ等
  を発表させる。