コミュニケーションの発達のために
コミュニケーションの発達を促すために、どのようなことが必要か、まずは、実態把握です。
下の表はコミュニケーションを「道具的機能」「社会的機能」「個人的機能」の三つの
観点に分けています。
自閉的傾向のあるお子さんの場合、「3個人的」の「b命名」が他の項目に比べて高いのが特徴です。
わたしたちが目指すのは、トータルとしてのコミュニケーション能力の発達です。
お子さんのどこが落ちているか、どこがよいか全体像をつかむ上で活用しています。
○・・・日常、言葉で発している。
△・・・言葉で発してはいるが、表現が十分でないため、こちらで意図を読み取る必要の度合いが大きい。
×・・・日常、言葉で発していない。
などつけてみるとわかりやすいですよ。
| 機 能 |
例 |
○△× |
|
| 1道具的 | a物の要求 | 「お醤油とって。」 、「もっとジュース。」 | |
| b援助の要求 | 履けない靴下を持ち、「靴下はかせて。」 | ||
| c許可の要求 | 「これで遊んでいい?」 | ||
| d活動の要求 | 「ぼく、自転車に乗りたい 。」 | ||
| e注意喚起 | 肩を叩き、「あれ見て。」 | ||
| f情報収集 | 「これ、何?」 | ||
| g好みの表現 | 「オレンジジュースがいい 。」 | ||
| h拒否・拒絶 | 「やだ」「あっち行って」 | ||
| 2社会的 | aあいさつ | 「○○君、おはよう。」 | |
| b応答 | 「どういたしまして。」(お世辞に対して) | ||
| c質問 | 「お名前は?」、「天気は持ちますか?」 | ||
| d返答 | 「それはぼくのだ。どうして持ってるの?」 | ||
| e切り出し | 「すてきな時計ですね。」 | ||
| f引き止め | 「それでどうしたの?」 | ||
| g終結 | 「ではまたね、バイバイ」 | ||
| 3個人的 | a感情 | 「やったあ。」、「もー頭に来た。」 | |
| b命名 | 「それはきたきつねです」 | ||