今日あたりにデスマの最終話でも書こうかと思っていたんだけど、ちょっと手間の掛かる表現を考えているので、もう少し体力が残っている時にw でも書く予定です。
続きものの日記が終わってないのに中途半端だけど、今回は少し長い話をまた小分けにして書いていきます。


去年…いや、一昨年の冬くらいからだろうか。
ほとんど誰にも話もしていない事なんだが、今までその存在さえ知らなかったような身体の異常…悪く言えば「病気」に、自身が立て続けに苛まれる羽目になってしまっている。

一回目の病気は、その一昨年の冬にまで話が遡る。
ちょうど自分が個人事業主でやっていた仕事を打ち切り、毎日のように遊び回っていた頃の話になる。
ある朝…と言うか夜だったか、昼夜逆転生活が長かったせいでもう忘れてしまったんだが、とにかく自宅の布団で眠りから醒め、何の気なしに寝そべった体を横に向けた時にその「身体の異常」は起こった。

横になった景色が急に、猛烈な勢いでガタガタと震えるような絵になり…その次の瞬間、強烈な回転性のめまいに襲われた。
それは今までに「似たような感覚」さえ覚えた事のないほどの、強烈な目まいだった。

あまりの突然の出来事に飛び上がるほど驚いた自分は、ほぼ反射的に体をガバッと起こした。
するとその強烈な目まいはピタリと止み、目の前の景色は何の変哲もない、いつもの自分の部屋があるだけだった。
その二つの景色の違いに何が起こったのか分からずに混乱した俺は、ひょっとして寝ぼけていたのか?…とさえ思えた。

しかし…また恐る恐る横になってみると、横になって一呼吸置いたくらいのタイミングでまた、強烈な目まいに襲われる。
ほんの数秒でも吐き気を覚えるほどの強烈な目まい。
ただそれが「横を向いて寝そべった時だけに起こる現象」であり、かつその現象を引き起こすような原因に心当たりが全く無かった事も、自身の混乱に拍車を掛けた。
仕事が忙しくてストレスが溜まって…とかならさもありがちな話だけど、その時の自分はまさに放蕩生活で、ストレスを溜めるような要素はどこにも無かった。

恐くなって飛び起きた自分はすぐさまPCの電源を入れ、ネットでこの症状について調べてみた。
最初はメニエール病か何かか…?とも思ったが、耳鳴りの症状はないし、頭の位置など関係なく起こるとの事で微妙に違っている。

そしてしばらく検索を続けていると、ついに自分の症状にドンピシャな病名が出てきた。
それは、良性発作性頭位眩暈症と言う…自分が今までに聞いた事もないような病気だった。

医者に診てもらって正確な診断を受けた訳ではないので、気休め程度のものにしかならなかったけど、幸い悪性のものではないらしく…放っておいてもしばらくすれば直るとあったので、とりあえずは一安心した。

幸いこの「強烈な回転性の目まい」は確かに早い時期に治り、早々に「横を向いて寝る事が恐怖にはならなくなった」んだけど、自分の場合は微妙な目まいの後遺症が長く残った。
通常の姿勢…本来なら特に異常を感じないはずの姿勢でいても、何か目の焦点が定まらないと言うか、身体がフワフワ浮いているような気持ち悪さを長い間感じていた。

そしてその症状は特に、精神的に緊張するような場所に出向いたりすると悪化する傾向にあった。
自宅の部屋にいる時は違和感はほとんど感じないのに、会社の会議室で打ち合わせをする時などでは、会議室全体がフワフワ浮いているような、そして軽く回転しているような錯覚に襲われる。
しかも簡単に席を外したりする事が出来ないその(緊張した)状況が、自分の錯覚に輪を掛けた。

この時、目まいという病気は本気で恐い病気だと強く思った。
はっきりした「症状を止める手立て」というものがどこにもなくて、頭で目まいを意識すれば意識するほど症状が悪化する。
しまいには、何でもないものまで回っているように見えてくる。
ノイローゼというと大袈裟になるかも知れないけど、この病気に罹ってから、いつしか何をするにも神経が過敏になってしまっている事に気付いた。

そしてその神経過敏の最たるものが…そう、床屋に行った時の話。
この病気は頭を横に向けた時だけでなく、大きく後ろに反らしたり、真下に顔を向けた時でも強い浮遊感と回転感覚に襲われて、少し気持ちが悪くなる。
症状が快方に向かっていた頃であっても、頭の位置を大きく動かした時にはまだ少し気持ち悪さが残っている時のこと。
そんな中で床屋は洗髪や顔剃りなど、頭を「危険なポジション」に晒す事のオンパレード…。

自分は今まで、髪を切りに行くという事はどちらかと言えば「好きな事」・「楽しみな事」だった。
精神的にリラックスが出来るし、軽いリフレッシュ感も得る事が出来るし。
でもこの病気に罹ってから、髪を切りに行くのが本当に嫌になった。
ほとんど症状が出なくなった今でも、あの「目まいの感覚」はどうしても自分の中からは消す事が出来ない。
もし、あの感覚に突然襲われでもしたら…と思うと、冗談抜きで洗髪や顔剃りが苦行みたいになってしまった。

この病気は非常に再発し易いらしいので、今となってはもう、再発しない事を願うしかない。

そして、自分の体の異変はこれだけで終わらなかった。
ちょうど去年の今頃、これまた身体に「今までに感じた事のない異変」が起こっていた。


次回に続きます。


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