7日の日記の続きを。

今回の仕事は「既に出来上がっている(…とはとても呼べない代物だったが)システムの不具合を修正する」作業なので、プロジェクトリーダから「現時点でこんな不具合があります」「この不具合は**さんが修正をお願いします」と作業を振り分けられて、一つずつ問題を解消していくというのが基本的な作業の流れとなる。

そしてこの振り分けの際、ごく一般的なプロジェクトであれば…
システムの根幹に関わるような困難な不具合の修正は既存の(古株)メンバーが行い、肩慣らし程度の簡単な修正は新規メンバーが行う、という考慮をしてくれる。

どんなに経験豊富なプログラマであっても、現場に入ってすぐにシステムの全貌が掴める訳じゃない。
それは日々作業をしながら少しずつ理解していくもので、最初は誰だってチンプンカンプン状態が当たり前だ。

でも今回は、そういう考慮がほとんど無かった。
そしてそれは意図的なものじゃなく、作業を振り分ける人間のスキルや能力に起因する部分が大きかった。
考慮されないんじゃなく、出来ないって話。

おかげで初っ端からとんでもなくディープな修正を担当する事になり、仕方なく作業を始めたはいいものの…
当たり前のようにプログラムはスパゲッティのアルデンテ状態であり、中で何をやっているのかさっぱり理解出来ない。
使わなくなった箇所や部品を消さずにコメントとして無駄に残しているだけでなく、何を修正したのか全く分からない修正履歴がゴチャゴチャ書かれたそれは、まさにゴミ屋敷のような惨状そのものだった。
そしてそのコメントを少し読むと「本当はやっちゃいけないけど一応」とか「バグる、ごめんなさい!」などと書かれてある。
…目を疑う、という表現がこれほどピッタリくる事も珍しい。

そんなゴミ屋敷状態のプログラムを何とか解析して、数時間掛かってどうにかこうにか原因と解決策を割り出すまでに至り、やっと修正…と思いきや、修正対象のプログラムは既に別人が占有していた。
(※ 複数の人間が同時に同じファイルに手を加えないようにロックを掛けるのが一般的で、これ自体は変な話じゃないです)

まぁこれは別にいい。偶然、修正箇所が被ってしまう事なんてよくある話だし。
そう思って修正中のメンバに「あとどれくらいで直ります?」などと確認しつつ、ようやくロックが解除されたのも確認して最新版を取り直すと、何と恐ろしい事に…自分が修正しようと思っていた箇所が既に綺麗に修正されているじゃありませんですの。
何じゃこりゃ、と思って再度そのメンバに確認したら「ああ、その不具合なら俺が直したよ」っておい。

どうしてこうなったんだよと思いながらリーダーに再度確認してみても、そのリアクションがまた想像を絶するもので、
「あれ、もう直ってたんですか?ふーん、じゃあ別の不具合をお願いします」
…俺の数時間は「ふーん」の一言で片付けられてしまった。
これだけ山のように不具合が出ている忙しい状況の中、このクソみたいなロスを何とも思わない感覚が理解できない。

んでもって新しく提示された不具合の現象は、これまた意味の分からんクソディープな不具合。
いくら調べても全然分からず、そんな中でリーダーに「いつになったら出来ます?」とか言われたって答えられる訳が無い。
(つーかこの人は仕様も把握してない&プログラムも書かないで「出来た/出来てない」しか関心がないんかよ、と言いたくなる)

仕方がないのでとりあえず同じ現場の自社の上司に相談…してみたところで、これがまたやる気を削ぐような事を軽く言ってくれる。
「納品がいつか分かってんだろ?今日中に直せないんだったら徹夜するかホテルに泊まってでもやれ」
…別に文句は言わんけど、頼むからせめてもう少しマシな言い方してくれ。

これね、例えば自分がプロジェクトの初期メンバーで、自分のチームのやり方がマズくて遅れて「何とかしろ」って言われるなら全然分かるんですよ。
でも私ら、単なるヘルプですよ。
グダグダになった要素の欠片も持ち合わせていない、ほぼ第三者の人間に対してこの言葉は本当に「知るかよ」と言いたくなる。
結局は、そういう仕事だと割り切るしかないんだけど。

幸いどうにか上手く事を運べたおかげで、結局は徹夜やホテル泊まりは一度もせずに済んだんだが…
実は今まで書いてなかったけど、この現場の勤務場所は横浜(私は練馬在住…)出勤時刻が朝9時だったりするんですよ。
終電まで仕事をすると、どう計算しても絶対的に睡眠時間が確保出来ない。
休み無しで連勤していた後半の頃は、ここでこのまま寝られた方がマシだと何度も思った。

…その辺りの話は、また次回に。


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