4泊5日(4泊4日?)で始まった旅行もついに最終日となった。

最終日の朝は「函館と言えばここ」的なスポットという事で、少し早起きしてホテルのすぐ近所にある「函館朝市」へと向かった。
最初、せっかくだからってんで色んな店の魚を冷やかし気味に見て回ろうかとも思ったんだけど、朝市に来ている客の数がまばらだったゆえ
店員が完全に呼び込み態勢になっていた事と、絡まれた所でどうせ買えない(たとえ宅急便で送られようが、家で魚を調理出来る環境がない)
ってんで、結局そのまま目的の店に直行する事にした。元々自分の場合、買い物中に店員の方から絡んでくるのを鬱陶しく思うタイプでもあるし。

ここで向かった店とは、朝市では老舗らしいこの食堂。そしてこの食堂で食べたのが、下の写真の「巴丼」。



まさに北海道ならではと言うか、他の土地じゃ(高くて)食えそうもない豪華な丼で、その見た目通りに味も贅沢そのものって感じだったが、
店内の張り紙に「現在ウニが高騰中で価格&分量調整云々…」と書かれていた通り、ウニが若干少な目に盛られていたのは少し残念かな。

体質的に朝はあまり量を食べる事が出来ない自分だけど、やっぱ旨い物は食が進むせいか普通に完食出来た。
この日は朝食以外は事前にあれこれ予定を立ててなかったので、食べ終えた後は一旦ホテルに戻って、さて今からどうしようかと検討を開始。
と、ここで「そう言えば行きの寝台電車内からの車窓で、紅葉がえらく綺麗だったスポットがこの近所にあったような…」てな事をふと思い出し、
改めてガイドブックやらで調べ直してみると、この函館から特急で約30分の移動時間でその「大沼国定公園」に行ける事が判明した。

北海道の景色は車窓で堪能とか言いながら、結局堪能しているのは車中のビールと駅弁ばっかだし、距離的にもちょうどいいってんで早速GO。
ホテルをチェックアウトした後、札幌近辺の観光で手荷物が邪魔になった事を思い出して荷物を函館駅のコインロッカーに全部押し込んで、
手ぶら状態で電車に乗り込んで目的地へと向かった。

到着した大沼公園駅から徒歩で行ける距離の場所に、遊覧船などが走っている眺めの良いスポットがあるってんで駅から歩き出したものの、
今にも雨が降り出しそうな生憎の空模様のせいで相当肌寒く、しかも時期がピークを過ぎたせいか、肝心の紅葉は既に相当が枯れ出していた。



せっかくなので現地で一枚撮ってきたが、やっぱり景色が何となく暗い。
おまけにこの後ついに雨まで降り出してきて、こりゃたまらんと思った所に「まもなく遊覧船が発車となります」のアナウンスが耳に飛び込む。
とりあえず雨宿りと暖を取るのを兼ねて、ほとんど反射的にチケットを買い込んで船に飛び乗った。

船から見える景色自体は非常に広大かつ綺麗で、3日目に乗った釧網本線の車窓同様に「ただ眺めているだけでも飽きない」ものだったが、
やっぱり枯れ気味の紅葉のせいで少々殺風景だったのが残念。せめて空模様が快晴なら印象も変わるんだろうけど…。

幸い遊覧船を降りた頃には雨も止んでいたが、湖を低速で幅狭く走る遊覧船は何かこう、少し地味だったよなぁ…などと思っていると、
隣接する「モーターボート乗り場」の呼び込みスピーカーから「遊覧船の3倍のなんたらかんたら…」というフレーズがふと聞こえてきた。

モーターボートなら高速だし、もしかして遊覧船の3倍のスポットを回ってくれるんじゃないの?などと思って、遊覧船に乗ったにも関わらず
再び船に乗るという子供じみた事をやってのけたところ、この「3倍のなんたらかんたら」ってのは単に遊覧船の3倍のスピードってだけで、
走行する経路は船着場以外全部同じと言う衝撃の事実(単に事前説明をよく聞いてなかっただけだがw)が後になって判明してしまった。
当然、高速なモーターボートはわずか10分足らずで「はい、お疲れ様でした。記念写真のサービスは一枚千円で承(ry」となり、
まさに「一体俺は何をしているんだ」状態となったのは言うまでもない。こんな事をしてるから、いつまでも誤ロン癖が直らないんだろうなぁ。

観光を終えて駅に戻った頃に天気が晴れ出すという不愉快を体感した後、函館に戻って昼食を摂った。
さすがに海鮮系の丼はもうお腹一杯って感じだし、最後くらいはラーメンでも食べておくかと、駅から少し離れたラーメン屋に入った。
函館と言えば塩ラーメンらしいのでそれを注文して食べたんだが、まぁ何と言うか…やっぱ根本的に、ラーメンで満足感を得るのは難しいね。

昼食を終えると、長かった旅もついに帰路に向かわなければいけない時刻となってしまった。
少し名残惜しく函館の駅までゆっくりと歩いて、また機会があれば是非来たいなぁと思いながら…函館発の特急「白鳥」に乗って八戸へ。
行きの寝台列車では青函トンネルの記憶が途切れ途切れしかないので、帰りくらいはトンネルを堪能?してやるかと思って乗ったものの、
ものすごく睡魔が発生するタイミングとトンネルへのダイブがダブってしまったおかげで、相変わらずほとんど記憶に残らずじまいだった。

八戸からは新幹線に乗り換えて、一気に東京まで移動。
行きで10時間以上の時間を要した経路だが、帰りはわずか3時間。この速さと共に、非現実的な世界から現実に戻されるような気がした。
そして東京に着いた後、その暑さのあまり着込んでいた服を一枚脱いだ時に…完全に、いつもの生活へと戻った感じがした。


-CLOSE-