前回の旅行日記の続きと言う事で、出発から数えて3日目の昼以降…ちょうど中間地点以降となる話を一つ。

正午過ぎに網走に到着した自分は、昼食の為に駅から徒歩で少々離れた繁華街(と言うにはあまりに閑散としていたけど)に向かった。
駅は網走の中心からは少し外れた場所にあるらしく、駅周辺はタクシー乗り場のロータリーがある以外は何も無い。道路を走る車もまばらだ。

徒歩で20分くらい歩いて、途中でガイドブックに「年中無休」と書いてあったので時間があれば行ってみようかと考えていた「網走ビール館」が
どう見ても定休日(つーか普段営業しているのかさえ怪しい印象だった)なのを横目で確認しつつ…向かったそのお店とはここになる。
ステーキとウニ・イクラ丼がセットで出てくると言う、かなり訳の分からん…あっいや失礼、実に贅沢なセットがあるという事で興味を惹かれた。

アーケードの自動音声からしか音が聴こえず、人すら全く見掛けない外の閑散とした雰囲気とは対照的に、店内は結構お客さんが入っていた。
出てきた丼のウニは生ではなくボイルされたもので、もちろん生と比べると少々パサパサした感じは否めないけれど、それでもこのボリュームで
1Kであれば本当に良心的だとは思った。ステーキも普通に旨くて、普通に肉だけでも1Kくらいするんじゃないの?と思ったし。

店を出て駅まで戻り、時計を見ると13時。今晩の目的地である旭川方面に向かう列車は、13時半の特急をスルーすると17時半まで無い。
ここで飯だけ食ってさっさと移動してしまうかとも考えたが、ここまで観光らしい観光もしていないし、早い時間に目的地に着いた所でどうせ
酒を飲むくらいしかやる事もないだろうってんで、17時半まで駅近郊の観光スポットに出向く事にした。幸い今日は天気も晴れている事だし。

って事で向かった先は、駅から時間にして循環バスで15分くらいの所にある、網走監獄博物館
ちなみにその循環バスってのはおよそ1時間に1本しか走ってないんだけど、事前に時刻表を確認済みだった事が幸いして、数分の待ち時間で
無事乗り込む事が出来た。平日という事もあるせいか、そのバスの乗客は自分も含めて3人だけだった。

山の中腹あたりでバスが止まり、そこから少し歩いた場所にその博物館はあった。高所にいるせいか、快晴の真っ昼間でも少し肌寒い。
博物館の中も平日だけあって人はまばらで、見たいものが上手く見れないなどのストレスに苛まれる事がほとんど無かったのは良かった。

およそ20年前まで実際に刑務所として利用されていたと言われるこの場所だが、一通りの建物・施設等を見終えた感想としては…
正直言って、この建物や場所自体から何故か現実的な印象を受けられなかった。何か映画のセットでも眺めているような、そんな感じだった。
ただ最高部にある獄舎だけは、(上手い表現が見当たらないけど)その突き抜けるような空気感と、生活臭が染み付いた建物の「不快な臭い」
建物の独特な雰囲気と相まって、強烈な印象として残っている。臭いという要素がここまでリアリティを引き上げるのかと、そんな気がした。

2時間くらい掛けてゆっくり見終えたあともまだ少し時間に余裕があったんで、多少無理をすればもう一箇所観光スポットを回れそうだったが、
バタバタするのも嫌なんでバスで早目に駅に戻り、そして昼食を摂りに行く時にふと見掛けたインターネットカフェに行ってみる事にした。
ネットのある環境から完全に離れて3日目になるんで、軽くメールチェック等々をやっておきたいと言うのもあったし。
ちなみにネカフェと言っても都心にあるソレのイメージは皆無で、一軒屋にPCが4台あるだけという怪しげ…あっいやその、簡素な店だった。

店の15分200円というセレブな値段設定と、列車到着までそんなに時間に余裕がありまくる訳でもない事から急ぎ足でメールを確認して、
あとMixiに「旅行行ってくるぜヘヘイ」ってな日記を書いてたのを思い出して一応チェックしてみると、あが、予想外に山のようにレスがついてる。
気の利いたコメントを考える余裕がなかったんで、かなーーーり適当なレスを返した後、前にこのPCを使っていたと思われる客のデータや
履歴が全て綺麗に残っている事に恐怖を感じたんでw 全ての履歴やらCookieやらを全部手動で削除し、飲み物も飲まずに素早く店を出た。

その後、網走始発の特急に乗って旭川へ。前日に移動した札幌〜釧路間と同様、4時間近いロングランでの乗車となる。
列車に乗り込んだ時は既に外の景色は真っ暗で、外を眺めようにも反射する車内と自分の顔しか見えないゆえ、これと言ってやる事が無い。
って事で結局はビールを飲んで寝るだけになってしまった。北海道内のみで売っている「サッポロクラシック」は自分好みの味で、結構旨かった。

21時前に旭川に到着したが、移動途中からまた天気がぐずつき出したおかげで外は雨。今日は駅から近いホテルまで、早足で向かった。
チェックインの後すぐにホテルを出て、晩飯を食いに向かった店がここ。自分は特にミーハーって訳でもないんで、「芸能人が来る店云々…」には
ほとんど興味は無かったけど、事前の下調べで非常〜に評価が高かったんでここに決めた。場所がホテルのすぐ近所って事もあったし。

外見はごく普通の居酒屋で、店に入ってもまぁ…取り立てて何が凄そうって訳でもない、よく見る光景って感じの店だった。
元々自分は「期待が大きすぎると満足感を得難くなる」という考えの下、どこに行く時でも最初にあんまり期待を抱かないようにしているんだけど、
その中でもこの店は特に「そんなにいい店なのかなぁ」という第一印象だった。有名人来店の店とかで宣伝する事自体、胡散臭い気もしていたし。

がしかし! ここの店で食べた料理(と言うか魚)の旨さと言うのは、間違いなく今回の旅行で一番素晴らしいものだった。
食べ物で感動する事なんて滅多にないけれど、ここではホントにその感動を得る事が出来た。こう言っちゃ申し訳ないけど、まさに予想外だった。


その詳細とは………えー、また次回って事で。笑


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