今までこの日記では、特に麻雀以外の内容を書く場合は…少々大袈裟だが、思想・信条と言った要素は極力排除して書いて来た(つもり)。
単純に言うと「麻雀以外の要素で、人を選ぶ日記にはしたくない」との思いがあっての事だけど、ネタ不足でそうも言ってられない状態なのでw
今回は多少、そう言った「人を選ぶ」要素のある日記にしようと思います。不快感や違和感を感じた場合は、ご容赦下さいと言う事で。


7月の初めから、今までとは違った新しい現場(客先)で仕事をしている。
客先で常駐して仕事をする場合、基本的には自社からは自分一人で行く事がほとんどだけど、たまーに別の協力会社の方と一緒に
「(その客先に対しては)同じ会社の人間として」仕事をする場合がある。そして今回は巡り合わせもあって、このような形になった。

SEとかプログラマという仕事は、もしかすると「一人で淡々と作業をする」に類似した仕事のイメージを持つ人が多いかも知れないけど、
実際はほぼ100%がチームやプロジェクト単位での共同作業という事になるし、ましてや現場では身内扱いになるその協力会社の方とは
仕事をする上では常にと言ってもいいくらい、綿密な作業連携が必要不可欠になる。って事で仕事中での共同作業以外にも、例えば
コミュニケーションの一つとして昼飯を一緒に食べに出掛けたり…という事もごく自然にある訳なんだけど、今回はその昼食にまつわる話。

今回もご多分に漏れずとでも言うべきか、まぁせっかくなんで飯でも一緒に行きましょうと言ったノリで、その協力会社の方(2人)と
昼休みに飯を食いに出掛けたまでは良かった。ここで大抵は最初に「何か食べたい物あります?」という事を自分自身に聞かれる訳だが、
そういう場合はほぼ100%「いや、私は別に何でもいいですよ」という返答をいつもしている。

特に自分の性格が優柔不断と言った訳ではないし、決断力がまるでナッシングな故に…とかいう訳でもない(…つもりw)。
食べ物の好き嫌いがほぼゼロな自分に合わせるより、苦手な食べ物がある人の方で決めた方が面倒がなくていいと思うからだ。

池袋のサンシャイン60という、その名の通り60階+α立てのバカでかいビルの近所で仕事をしていると言う事と、
しかも現場の近所は(そのビル以外に)あまり外食スポットが無いという事もあり、最初のうちはそのビルの飲食街に行く事が多かった。

だが…行く度に、なかなか店が決まらない。
誰かの好き嫌いに合わせていて決められないという訳ではない。理由は一つ、「値段が高い」と言ってその二方が難色を示されるからだった。
飲食街を歩き回る度に「高いよ〜」「ここも高いなぁ」という台詞が、その協力会社の二氏から繰り返し飛び出る。

確かに大抵どこの店に行っても…値段は1000円を少し越えてしまうものばかりで、値段だけを見れば決して安いとは言えない。
でも場所柄を考えれば特に驚くような値段でもないと思うし、それ以前にそもそも「別会社の人間と飯を一緒に食いに来ている」という時点で
自分はまず食事の値段は二の次になるという感覚でいた。飯云々の値段や味もそりゃ「どうでもいい」とまでは言わないけれど、それよりも
まず落ち着いた場所でコミュニケーションを取るって事の方が大事だと思ったし、その為には少々高い金を払う事も、自分は不満はなかった。

結局その日はどうにか店は決まった(結局「安い店」がなく、仕方なく空いてそうな店に入った)んだが、
翌日にまた昼飯を一緒に食べに出掛けた時、何と言うべきか…少しギョッとするような事を、あっけらかんと言われた。

「○○さん(私の本名)、今日はこいつがどうしてもマクドナルドに行きたいって言ってるんですけど、マックでいいですか?」

…。

そしてそのこいつこともう一方の方が、財布をゴソゴソをしながらマックの割引券か何かを取り出す。これがどうしても使いたい、とのこと。

その瞬間に当然のごとく、様々な…まだ形にはならない、おぼろげな感情がいくつか沸いて出てきたんだけど、
何か、何となく面倒な気分になってそれらを全部しまい込む事にした。その場では「ま、たまにはいいか」とだけ、考える事にした。

しかしまだこの現場に来て数日の段階で、会社の周辺に土地勘がある訳でもなく…どこに行けば店があるか、なんて事も当然分からない。
結局はマクドナルドを見つける事が出来ずに終わってしまい、じゃあどうしましょうか迷っていると、その方が次に言ったのは

「じゃ、あそこの松屋でいいですか?」

…。

確かに最初に「何でも良い」と言った事は間違いないけれど、まさかこういう結果になろうとは思ってもみなかった。
結局、混雑したその店内で当然一緒に座る事など出来なかった我々は別々の席に離れ離れに座り、淡々と食事を取る事になった。
最後は自分だけ先に食事を終えてしまったが、人で溢れ返る店内で、まさかその場に座って二人を待っている訳にもいかない。
仕方ないので「ちょっと銀行に行く用事があるので、先に戻りますね」と嘘をついてその場を去った。

まぁたまにはいいか、とか、この人がたまたま松屋の定食が食べたくなったのかも知れん、という内心の思いも、その翌日の昼休みに
社外へ出た時に開口一番でまた「松屋でいいですか?」と言われた時、その思いは綺麗さっぱり消えてなくなった。


別にマックや松屋を頭ごなしに否定するつもりなどは全然ないし、自分でも一人の時は行く事も結構ある。
と言うか特に松屋などは「一人だからこそ行く店」だと思うし、あくまでこういった場面での食事ってのは「コミュニケーションを深める」
ってのが主眼だと思っていた自分からすれば、この出来事は単純にカルチャーショックとでも言うか…少し極端ではあるけれど、
「あまり自分とコミュニケーションを取ろうって気が無いのかな?」とさえ思えてしまった。
(まぁ実際は…ごく単純に「安さ」で判断されているだけで、特に他意などは無いんだろうけど)

まさか、ここで自分がいかに金を持っているかという事を暗にアピールしたいとか…もちろんそういう訳ではない。
自分の場合はまだ新人の頃でも、一人で食う晩飯よりも、会社の先輩らと一緒に出掛ける昼飯の方が金が掛かる事はしょっちゅうあった。
でも本当に金がヤバイ日などがあれば、その日はコンビニで安く抑える事だって出来たし、むしろ自分は逆にそういう(一緒に飯を食えるような)
機会を失う事のほうが金が減る事よりもよほど痛かった。「高いとは思わなかった」と言えば嘘になるけど、惜しい感覚は全然なかった。

それに今となっては…新人の頃とは違い、それなりに責任のある仕事も任せられるようになって来た。
そんな中での昼飯ってのは、(これは少数派かも知れないが)自分の中では「自分自身の労働に対する対価」のような感覚もある。
相応に「重い」仕事をしているからこそ、何かこう「旨いモノでも食って、また気分良く仕事に向かいたい」みたいな。

そういう価値観を持つ人間からすると、ダイレクトに言えば「俺の仕事ってのは松屋と天秤になる程度でしかないのか?」とさえ思える訳で…
何かこう、仕事を頑張ってやろうという意欲もまた変わってくると言うか(…もちろん仕事はするけどw)。


そしてこの出来事から1週間経った今、毎回「腹の具合が悪い」と言って昼を一緒に行くのを断っていたら、ついに誘われなくなった。笑
色んな意味で、しょうがない。


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