今日は(東風の画像を使っているので)一応東風ネタとしてジャンル分けをしていますが、内容は雑感に近いものになると思います。


学生時代のセット面子に、K君という男がいた。
K君とは住んでいる場所が少々離れていた関係で、結果的にはさほど同卓する機会に恵まれなかったんだが…
ただその数少ない機会の中だけでさえ、誰が見ても明らかに分かるほどそのK君は「抜きん出た強さ」を持っていた。
そのK君が麻将連合のツアー選手になったのを知った時も特に驚くような感覚もなく、ああやっぱりって感じだったのをよく覚えている。

そのK君が仲間内でセット麻雀を打つ時に、必ずと言っていいほど実践していた事がある。
それは、卓上全ての点棒移動を完全に頭の中に叩き込む(記憶する)事だった。

今やフリーに行けば雀卓にテンリーダーが付いている事なんてまず当たり前、と言うか全員の点数が一目で見れる卓でないと
「ったくボロ卓使いやがって」とさえ思えてしまうほどだし(…自分だけかな?w)、ボタン一つで他家との点差がパッと出てくれるから
自力で点差計算をする必要さえないほどだけど、誰かの家にお邪魔して座卓でマットでも敷きながらセットを打つ事しかなかった当時は
もちろん全員の点数なぞリアルタイムに把握出来ないし、オーラスの点数申告までに多かれ少なかれ「点棒の移動」を記憶する必要がある。

でも麻雀を打つだけでも必死な自分が、そんな事まで頭が回るはずもなく…いつもほとんど「自分の点棒状況」だけで押し引きを考えざるを
得ない状況になっていたんだけど、そのK君は毎回確実に全ての点棒状況を把握して、オーラスまでの展開を自分できっちり作り上げていた。

自分は当時は「そんな事までいちいち覚えてられん」とか思っていたし、最近になったらなったで店でしか打たなくなったもんだから
微妙な点差になれば「失礼」の一言でも言ってボタンをカチカチさせりゃ答えが出るからそれでいいか、な〜んて甘い事を思っていて…
オーラスが始まった時などに「この局は何点が必要なのか」との認識を持つ事を(ここ最近まで)正直少しおざなりにしていた部分があった。
…たとえそれが、点差表示など気の利いた事をしてくれない東風であっても。

とまぁこんな事を考えていると当然、いつかはそのしっぺ返しを食らう事になるわけで。
ここ最近(と言うほど最近の話でもなくなってしまったけど…)の東風で、こんな場面があった。



これだけ微妙な点差で、局が始まった時点で「5800で足りるかどうか」って事さえ考えてない時点でほとんどカスだけど、
「自分が親番だから絶対に一撃で決める必要はない」「和了すればとりあえず次がある」という思いが余計に怠惰な精神に輪を掛けてしまった。

それにここは2本場でかつ、リーチ棒まで出ている場面。
制限時間内に簡単な算数をすれば、リー棒が出ていなくとも5800で足りるって事くらいは楽に答えが見つかりそうなもんだが、
何の下準備もしていない癖に頭の回転が人一倍遅い自分は、ここでいつも通りに頭が真っ白になるというアホぶりを展開。

数秒で引き算が出来ないと自分自身で悟った時点で、次に自分が思う事と言えば「もし5800に受けて捲ってなければ最悪になる」→
「どう見ても捲れる方に受けた方が安心」→「4p通ったし7pだって通るに違いない」などと、崖から転げ落ちるように思考レベルが劣化。

そして、その結果。



(凸風に) …ドヘタ。


まぁここまでアホなのは自分くらいかも知れないけど、それでも改めて…(便利さに)慣れるってのは恐いもんだなと思う。
オーラスの点差確認でさえ「とりあえず満貫作ればいいだろ」ってなズボラ加減さが、いつの間にか自分の中で固定された感覚になっていた。

便利に慣らされてるうちにふと気が付きゃ、自分のメンタルな部分にまで贅肉が付いていたみたい。
勝った負けたを言う前にまずやる事があるだろうと、自分を強く戒めないといかんね…。

…とか言いながらどうせまたポカはやるんだろうけどw でもそれが「天然」ならそれもまた仕方なしかな、とは思っている。


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