今月は大会関係の日記が多くを占めて、一度も雑感的な日記を書いてないって事もあるので…久しぶりに堅めの内容で行こうかと思います。


麻雀で、その行為の是非が問われる事が多くて議論などにも発展する事が多い…「ラス確(和了)」という行為について。

これは金銭、あるいは大会等での総合的な得失点成績の損得が関わってくる場合では、自らのマイナス分を少しでも減少させるという意味で
何の問題にもならないような行為だと思うけど(ましてやフリーなどではほとんどの場合、和了に対して相応の祝儀収入が付いてくるし)、
東風荘など完全に順位戦ルールの場合(最終順位以外の項目が総合成績に直接関与して来ない場合)であると、やはり少々話も変わってくる。

このラス確という行為、個人的に好きか嫌いかと聞かれたらもちろん嫌い(な行為)だし、自分で進んでラス確をやる気なども当然ない。
少なくとも「ラス確をする事で得られる自分自身のメリット」という部分では、全くと言っていいほど無いとしか思えない行為でもあるし。

他人がやる行為として考えた場合、自分は「本来のゲームの形から逸れてしまう」「ゲームの旨みがなくなる」と言ったような感情よりは、
(どんな理由があれ結果として)ゲームで勝利する事を諦めてしまう、勝負に対する適当(不誠実)な姿勢そのものが単純に好きになれない。
遊びであろうが何であろうが、そういう不誠実な姿勢でしか臨む事が出来ない人間との対戦は常に、つまらないモノでしかないからだ。

だけど、ラス確という行為をした人間に対して声高に「何考えてんだバカ」と叫ぶ事が正しいのかと言うと…それは全くそうは思わない。
個人的には「ラス確をされて文句を言う」という行為は、ラス確そのものをする行為よりも遥かに、見ていて見苦しいものだと思う。

麻雀というゲームにおいての和了という行為、これは他のどんな行為よりも優先されるべきものだと思うし、
それ(和了)をする事が出来なかった他の人間は、いかなる場合においても口を挟む権利も理由も資格もないと思っている。
ってかこの原則を守らず、和了という行為に対して文句を言うのが是とされるならば、もう麻雀ってゲームは成立しないとさえ思う。

ラス確という行為をする意図が分からない(から文句を言えるか)…?
フリー対戦での麻雀では、対戦相手の和了意図が明確に分かる事の方がむしろ珍しいし、当然の事ながら「意図が分からない和了は認めない」
なんて理屈が通用するはずもない。東パツの平場で平和ドラ1を和了した人物に対して「なんでそんな意味のない和了をするんだ?」などと
文句を言うのと、ラス確されて「意味が分からん」と文句を言うのと、原理的には何も変わらない気がする。

でも実際は、平和ドラ1を和了されて文句を言う人間なんてまずいない。何故かってーと、それは単に自分が不利にならないからだろう。
そんな手をダマで和了してくれて助かったと、自分に損害が無いからこそ文句も出ない訳で、逆に考えるとラス確で文句を言うって行為は
単に自分が順位向上の機会を奪われたか、順位低下を食らわされたかして不利益を被ってむかついたから、って理由にしかならない。

同様に、例えば自分が超微差のトップ目のオーラスで手牌はバラバラ、そんな時に2着目から3順目にリーチされた…などといった
絶望的な状況でラス目が3本5本をツモってラス確をしたとして、そこで本当に同様に文句を言う事が出来るのかって話にもなる。
(まぁ例え「俺は一言言ってやる」って人がいたとしても、その行為が正当であるという理由にはならないとは思うけどね)

和了出来る権利をルールとして平等に持ち合わせている以上、和了の理由なんてものは誰も問う事が出来ないと思う。
「こんな和了が認められるなんて麻雀はクソゲー」って文句を言うなら話も分かるけど、和了した人間を叩くのはお門違いでしかない。
和了する事が出来なかった、もしくは放銃してしまった自分の判断の甘さをまず悔いるべきだろう。

他にも、「ゲームを意図的に壊される」とか「歪められるのが面白くない」ってのは、何もラス確だけがその行為に該当する訳ではない。
例えば自分が仕掛けて染め手に走ってる時に、上家がその染め色をガチガチに絞ったとしよう。
自分と上家だけが不利になって他二家は有利になる「ある意味歪な行為」だけど、この行為が否とされているかと言うと、言わずもがな…
例え内心で「下家はムカつくから絶対アガらせない」などという理由だけで絞っていたとしても、それは単に打ち手の自由でしかない。

「誰々がムカツクからラス確して3着に叩き落してやる」って行為にしても同じで、それは単に打ち手の自由の範疇を超えない。
そもそも麻雀ってゲームは、特定の他家を(ある程度までなら)ピンポイントで不利に出来るゲームという事を忘れてはいけない。
しかも相手のラス確では「自分自身がラスになる」という最悪の事態を自動的に回避出来るわけで、このメリットを享受しておきながら
文句を言うと言うのは、あまりにも自分本位と言うか…麻雀という「攻撃的なゲーム」の本質が見えてないんじゃないか、と思ってしまう。


最初にも書いた通り、何もラス確万歳!などと言うつもりは毛頭ない。ラス確されると正直、内心穏やかじゃないものもあるし、
積極的にラス確を仕掛けてくる打ち手とは、(矛盾するかも知れないけど)出来るだけ打ちたくない。

でも、卓に座った以上は全てのリスクを承知の上で臨むべきではないかって気がする。でないと、「フリー対戦」なんてモノは成立しない。


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