過去の日記にも少し書いたような記憶があるんだけど、つい最近まで自分はいわゆる「祝儀(チップ)のある麻雀」が嫌いだった。

ただでさえ使い易い5萬5筒5索に色がついて一翻アップさせるだけでも、その他のチャンタ系手役とのバランスが取れなくなるってのに
その上さらに祝儀まで払うって何だそれ、ってか5を持ってるだけで一体何がめでたいんだよ、まるでヤ○ザの言い掛かりじゃねーかetc…
…と、少し大げさかも知れないけど、とりあえずそういう感覚が強くて「ゲームとしての面白みに欠けるモノ」という先入観が強かった。

それに雀荘(胴元?)側の「早くゲームを回転させて、効率よく売上金をゲットしようとする意図」があからさまに見えた部分も嫌だった。
1局単位で平均的な打点を上げるだけでなく、打ち手の射幸心を煽って?客の誰かが飛ぶようなゲームを増やそうとしている…
少し極端かもしれないけど、どうしてもそういう意図が見え隠れして、スムーズに祝儀麻雀という世界へ入る事が出来ないでいた。

それでも「どんなルールでも対応出来る打ち手になりたい」という思いの元、最初は気が進まなかった祝儀麻雀にも手を出してみると、
少しずつその抵抗も少なくなってきて、最近では赤が入っていない麻雀は「なんか物足りないな」とまで思うようになってきてしまった。

元々祝儀麻雀に否定的だったのは上記のような「ゲームバランスの崩壊」と「回転率向上(=客に長く打たせない)」の要素の他にも、
技術介入の余地が低い&運の要素がますます大きくなって更に実力が正確に現れにくくなる…というような思いもあったからだった。

でもいざ祝儀麻雀を打ってみると…そりゃ確かに、赤が手に入るかどうかってのはその時々の運に左右される要素ではあるけれど、
その赤が入って来た時の、あるいは入ってくる赤に備える為の技術というものが、自分の予想していたモノとは根本的に異なるくらいに…
相当の大きな割合で、打ち手の技術差としてハッキリと現れるものだという印象を強く受けた。

多分これは、祝儀麻雀を打ち始めた初期の頃に某冬さんというチッパ…あ、いや、赤を扱うのが非常に長けた人物の麻雀を
この目でまざまざと見せ付けられた事によって(そして卓を囲む度にやられてしまってw)、「赤の出し入れは完全な一つの技術だ」
という印象を持てたって事が大きい気ような気もする。

フリーで打っていてもよく感じるんだけど、緩手の多い打ち手ってのは同様に赤の扱いも下手だし、もちろん例外的な事はあるにせよ、
やはり最終的には必然的に強い人間・勝った人間にちゃんとチップが集まるように出来ている事がほとんどのような気がする。
チップは偶然性を高めるモノではなくて、弱い人間にはより不利に、強い人間により有利になるルールなんだという事を強く感じた。

それに点棒しか使わない麻雀と違って?自分がどんな不利な状況になっても、目的(やる事)が無くならないってのがまた面白い。
祝儀が無い麻雀では、一人断ラスになってしまった時点で…後は大物手狙いくらいしかやる事がないし、それも配牌を見た瞬間に
「これは1300以外を作るのが無理なんですけど」なんて思うこともしょっちゅうだけど、これが祝儀麻雀であれば
その祝儀の金額が高ければ高いほど「チップ収入での挽回」が可能になる。どんな状況に陥っても希望が出来るってのが楽しい。

それに当然赤が加わる事によって、射幸心は良い意味で煽られまくるしw 競技的な麻雀と全く違う刺激が感じられるのもいい。
そりゃまぁ赤が常に他家に寄っているような状況が続くと単純につまらんし、他家に食いタン赤3で満貫オールスターとか放銃した日にゃ
雀卓の角に頭を叩きつけてやろうかと思う事もあるけど(一応冗談なので念の為…w)、ただそれでも赤が入る麻雀を打つ事によって、
以前よりも他家の仕掛けとか動向に敏感になったと言うか、場を細かく見ようとする癖が習性的についたような気もしていて、
これはこれで自身の実力向上に一役買ってるんじゃないかと思う事も結構あったりする。


祝儀に一つだけ不満点があるとするならば、(ほとんどの店とかルールの場合)祝儀牌が全色5という部分。
さすがにこの部分だけは…どうしても手役とか手牌構成が偏り過ぎて、ゲームとしてのバランスが保たれた状態とは言えない部分だと思うし
チャンタ系の手役があまりにメリットが無さ過ぎて、どんな状況でも常に中に寄せるだけの麻雀になってしまうのは、ちょっとつまらんかな。

もっと赤3sとか赤7m(逆だったかな…あまり見かけないからよく覚えてない)を採用する店が増えてもいいと思うんだけどなぁ。
他にも1sとか特徴的な牌を金色に見立てて祝儀3倍、とかにすればゲーム性も広がるような気がする(これは実際にありそうだけど)。


ま、最終的な結論としてはやっぱり「食わず嫌いはいかん、まずは何でもやってみるべき」って事ですな。


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