昨日行った雀荘で、初めてアモスアルティマの全自動卓(配牌まで自動で出てくる卓)を体験したので、今日はその話を。
最近ではこのアルティマの全自動卓を導入する雀荘も増えてきて、もう特別珍しいモノでもなくなって来ているかも知れないけど。

麻雀関係の友人や知り合いの人間から、以前からこの自動卓で打った感想を色々と耳にしていたんだが、
誰もがあまり良い印象を持っておらず…ただ「感覚が狂う」「先ヅモしそうになる」などという否定的な声だけはよく耳にしていた。
(親の切り出しでゲームが始まる従来の形と異なり、この卓で打つと親の第一ツモでゲームが始まる事になるので)

それで自分も遅ればせながらようやく体験してきた訳だが…特にこういうモノだという認識を最初に植えつけてしまえば、
先ヅモしそうになったりする事は、少なくとも自分にはなかった。

だけどねぇ…やはり慣れないせいかも知れないけど、ゲーム開始の形が歪になってて、どうしても不自然だと感じてしまう。
そもそも第一ツモをする牌山がどれか分からない。いやこれ本当に。全然関係ない牌山の牌をツモりそうになる事が何度もあった。
それにドラ表示牌の左2トン目を後から切るという行為が…ツモの動作を行う前に捨牌をするような違和感に近いものがあって、
これだけは最後まで慣れる事が出来なかった。

自動卓ってそもそも、少しでも便利に&快適にゲームを進行させるべく…後はまぁ、イカサマを防ぐって役目もあるだろうけど…
その為にあるはずのものだと思うんだが、この卓って「以前よりも便利になった」「快適になった」という感じがまるでない。
そもそも配牌を取るという行為が、洗牌とかツモ山の組み立てと同等の「面倒な行為」だという感覚は少なくとも自分にはないし、
むしろ…雀荘の一客として、「そこまで早く卓を回したいのか」という気分にさえなる。
何というか「サクサク(と言うより、さっさと…という表現の方が近いかも)ゲームを進めてとっとと金を撒いて行ってね」という
無言の圧力に近い妙な息苦しさを覚えてしまい、個人のリズムで麻雀を打つ事を拒否されているような感覚になる。

それだったらNEXTボタン押した瞬間に次の局の配牌が全て出ている東風はどうなるの、って話になるかも知れないが、
東風には東風の(テンポの速い)リズムってものがある訳で、あれはあれで全く違和感があるとは思えない。
むしろ東風で演出で配牌を4枚ずつ取るようなものがあったら、逆に「鬱陶しい」と感じるだろう。
要は他とのバランスの問題で…この卓は配牌だけゲーム麻雀みたいなリズムで割り込んでくるから、リズムに狂いが生じるんだと思う。

やっぱりリアル麻雀のリズムって独特のモノがあるし、個人的には局後はワンテンポ間があった方が良いと思うんですよ。
放銃したりミスをした場合でも、あの配牌を取って並べるまでの間で気持ちの整理をつける事が結構あるし、
当然配牌を取るって行為一つ取っても…対戦相手の心理状態とかがよく見て取れる行為だと思う訳で、
「好調で興奮してるな」とか「ツイてないのに落ち着いてるな」などと言った、一種の対人ゲームの妙を感じ取れる事も多い。

それ以外にも、例えば左8をパッを分けられない奴と対戦して「お、これはカモれるかも」などというちょっとした楽しみ?なども
この自動化によって全部無くなってしまうというのは…そしてその自動化で、それらのゲームの妙を失ってなお余りある
便利とか快適さを得られているのか…と考えると、どうしてもその答えに疑問を感じずにはいられない。

なんかこんな調子で行くと、将来的には雀荘の雀卓ってみんな全自動の狼みたいな形になるんじゃないだろうかって気になる。笑
卓にアームとか付き出して、気迫装置!とか言ってメンバーに「強打はお止め下さい」とか言われたりしてね。


今のこの違和感も、昔全自動卓が出た時に「こんなの麻雀じゃない」って言ってたオヤジの言い分と…将来的には同等になるんだろうか。


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