代々木上原 「山せみ」     住所・地図等へ 全店一覧へ 

  代々木上原の駅から上がってくる坂からちょこっと脇に入った住宅街の中にある。
  写真のごとく一段低くなった場所にある分昼間でもそれほど日光が入りこむ訳でもなく、かと言って暗いわけでもなく。なんとも言えず落着いた雰囲気の店内である。内装全般はどちらかと言えば洋風ではあるが、蕎麦を
味わうにはうってつけの熟成感のある仕上がりとなっている。「デリシャス」7月号によれば「そば薬膳」なる料理が当店の自慢のようであるが、ご定法により、シンプルな「せいろ」から。一茶庵系を思わせる横に長いお弁当箱状の器にそばが盛りつけられる。かと言って、三山に分かれているというわけではない。丁寧に挽かれた蕎麦粉を二八で打ったスタンダードながら隙のない仕上がり。色はうっすらあずき色。丁度よい切り幅はせいろをいただくにはぴったり。コシもしっかりしているが、歯当たりのいいエッジ感がさらに噛み心地を良くしている。
  せいろを頂いていると、壁にかけられた木札がひっくり返され、そこに「田舎」の文字が。全部は食べられないので、お代はそのままで「半量」だけ田舎をいただけないか?と無理なお願いをしたところご主人が快諾。料金も安くして下さった。
  田舎はぐっと野太く、色もよりあずき色が濃く。コシも強烈になっている。気がついたが半量にした結果、ひとつのせいろ(さっきの「箱」)に蕎麦が薄く広がった感じで出てくるのだが、こういう感じで出てきた方が見た目に綺麗だし、食べ易く且つ、蕎麦が乾いてしまう時間もない間に一枚食べられる。そう言う意味で名店で一枚の量が少なくお代わりが当然なのは、美味しく蕎麦を食べるという原点に極めてかなうものだ思った。

渋谷区上原1-17-14   03-3460-6463 地図は左の住所をクリック)
火曜日・第四月曜 休み
  11:30-2130

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